【課題16:ジーンターゲティング法】

 ジーンターゲティング法はマウス染色体の遺伝子配列を自由自在に変換させたマウスを作製し、マウス固体レベルでの分子機能を明らかにする手法である。
 このジーンターゲティング法が可能となった背景には、マウスにおける発生工学的手法の発展によるマウス胚幹(embryonic stem : ES)細胞株からのマウス個体作製技術の開発と安定化がある。
 現在、この手法は全世界的なもととなり、形態形成、免疫、器官形成、脳神経機能の分子メカニズムの解析で一般的な技術となってきた。また、癌や遺伝病でのヒト疾患モデルマウス作製が容易となり、新薬開発や治療方法開発などの医学研究においても必須な技術となっている。
 本実習では、
 1)コンディショナルターゲティング法を含めジーンターゲティング法の原理、
 2)ターゲティングベクターの作製法、
 3)マウス胚幹(ES)細胞の培養、遺伝子導入、相同組み換え体の同定法、
 4)キメラマウス作製法、
の基本技術に焦点を絞り実習を行う。