課題番号6

胎仔脳内への遺伝子導入
−レトロウイルスとエレクトロポレーション−

小野勝彦,中平英子,竹林浩秀,池中一裕

細胞や組織への外来性遺伝子の導入は、遺伝子の機能解析や細胞の標識に非常に有力な方法である。さらに、最近では様々な疾病に対する遺伝子治療へも応用されている。遺伝子導入法には、ウイスルベクターを用いて細胞表面の受容体を介して導入するものと、電気パルスや細胞膜に親和性を持つ化学物質を用いて導入するものとがある。本トレーニングコースにおいては、近年の医学生物学の研究分野で益々用いられるようになってきた遺伝子の導入とその異所性発現の実習を行なう。
実習では、最も一般的なレポーター遺伝子である緑色および赤色蛍光タンパクの遺伝子やβガラクトシダーゼの遺伝子を用いる。これらの遺伝子を、ニワトリ胚や子宮内のマウス胎仔の中枢神経組織に導入し、その後一定期間生存させた後、これを発現した細胞を観察する。導入方法として、高力価のレトロウイルスベクターと電気パルス(エレクトロポレーション法)を用いる。あわせて、子宮内胎仔やニワトリ胚の操作法、観察のための組織学的手法についても紹介し、その実習も行なう。

生理科学実験技術トレーニングコースホームページ

Copyright(C) 2003 NIPS. All rights reserved.