FTPRanger : ユーザーズガイド
はじめに
FTP (File Transfer Protocol) は、
ウェブページ更新などの目的で現在でもよく利用されていますが、
パスワードなどの認証情報を暗号化せずにFTPサーバーに送信するため、
第三者に盗聴される危険性があります。
FTPRanger (エフティーピー・レンジャー) は、
暗号通信機能のないFTPクライアントでも
セキュアなファイル転送を簡単に行えるようにすることを目的として
開発しているFTPクライアント用暗号通信化ソフトウェアです。
FTPクライアント と FTPRanger を一緒に使用すれば、
クライアントとサーバーの間の通信は
暗号化されるので、安全にファイル転送を行うことができます。
特徴
FTPRanger は、FTPクライアントからの通信を
FTP から FTPS に変換してFTPサーバーと通信を行います。
※ FTPS の詳細については、RFC 2228 と RFC 4217 あたりを参照してください。
(現在、翻訳作業中です。)
※ 現状では、TLSWrap のソースコードを元に作成している段階で、
TLSWrap 以上の機能はありません。
しかし、今後のバージョンアップで、
FTP を SFTP に変換する機能などを追加していきたいと思います。
動作環境
いまのところ、
32ビット版 WindowsXP SP3 でのみ動作確認を行っています。
※ FTPクライアントがパッシブ(PASV)モードに対応していない場合は
使用できません。
※ FTPサーバーが FTPS に対応していない場合は使用できません。
FTPサーバーの管理者に確認してください。
インストールとアンインストール
インストールは、インストーラを(ダブルクリックするなどして)
実行するだけです。後はインストーラの指示にしたがってください。
なお、インストーラのファイル名は、
ftpranger-xx.xx.exe(xx.xx はバージョン番号)
となっています。
インストールが完了すると、
FTPRanger が Windows のサービス
([コントロール パネル] の [管理ツール] にあります)
に登録され、自動的にサービスが開始されます。
アンインストールは、
[コントロール パネル]
の
[プログラムの追加と削除]
から行ってください。
※ インストールとアンインストールは管理者権限で実行する
必要があります。
※ FTPRanger がすでにインストールされている場合は、
アンインストールをしてからインストーラを実行してください。
使い方
FTPクライアントの設定を以下のように変更してください。
(ホームページ・ビルダーとFFFTPについては
この後のセクションをお読みください。)
-
FTPサーバーのホスト名を 127.0.0.1 に変更し、
FTPのユーザー名を
(ユーザー名)@(FTPサーバーのホスト名)
に変更します。
例えば、
FTPサーバーのホスト名が www.example.com、
FTPのユーザー名が user となっていた場合は、
FTPサーバーのホスト名を www.example.com から
127.0.0.1
に変更し、
FTPのユーザー名を
user@www.example.com
に変更します。
-
FTPの設定をパッシブ(PASV)モードに変更し、
FTPサーバーへの接続ポート番号を
21 から
7001
に変更します。
※ FTPSには Explicitモードと Implicitモード があり、
上述のように設定した場合は、Explicitモードとなります。
もし、Implicitモードで使用する場合は、
FTPのユーザー名の先頭に「%」、
末尾に「:待ち受けポート番号」を付加し、
%user@www.example.com:990
のように入力してください。
ホームページ・ビルダーと一緒に使う方法
FTPRanger をインストール後、
以下の手順でホームページ・ビルダーの転送設定を変更してください。
-
ホームページ・ビルダーを起動します。
-
[サイト(S)] メニューの [転送設定(U)] - [転送設定(E)...] をクリックします。
-
リストから転送設定を行うものを選択して、
[編集(E)...]ボタンをクリックします。
-
[基本設定]タブの中の[FTPサーバー名]を 127.0.0.1 に変更し、
[FTPアカウント名]を [FTPアカウント名]@[FTPサーバー名] に変更します。
例えば、[FTPサーバー名]が www.example.com、
[FTPアカウント名]が user となっていた場合は、
[FTPサーバー名]を www.example.com から 127.0.0.1 に変更し、
[FTPアカウント名]を user@www.example.com に変更します。
-
[詳細設定]タブの中の
[パッシブ モードで接続する]にチェックを入れ、
[ポート番号]を 21 から 7001 に変更します。
-
以上の変更が終了したら、[OK]ボタンをクリックします。
※ ここに挙げた手順は、ホームページ・ビルダーのバージョン8の場合です。
バージョンが異なる場合は、適宜読み替えてください。
FFFTPと一緒に使う方法
FTPRanger をインストール後、
以下の手順で FFFTP の転送設定を変更してください。
-
FFFTP を起動します。
-
[ホスト一覧]から設定変更を行うものを選択して、
[設定変更(M)...]ボタンをクリックします。
-
[基本]タブの中の[ホスト名(アドレス)(N)]を 127.0.0.1 に変更し、
[ユーザ名(U)]を [ユーザ名]@[ホスト名(アドレス)] に変更します。
例えば、[ホスト名(アドレス)]が www.example.com、
[ユーザ名]が user となっていた場合は、
[ホスト名(アドレス)]を www.example.com から 127.0.0.1 に変更し、
[ユーザ名]を user@www.example.com に変更します。
-
[拡張]タブの中の
[PASVモードを使う(V)]にチェックを入れ、
[ポート番号(X)]を 21 から 7001 に変更します。
-
以上の変更が終了したら、[OK]ボタンをクリックします。
※ ここに挙げた手順は、FFFTP の バージョン 1.97b の場合です。
バージョンが異なる場合は、適宜読み替えてください。
今後の予定
-
FTP を SFTP に変換する機能を追加する。
-
RFC 2228 と RFC 4217 の翻訳作業を継続する。
(すでに翻訳された方がいましたら教えてください。)
-
アイコンを作り直す。(イメージ通りに作れなかったので...。)
-
TLSWrap の Tray Monitor と同様の機能を実装する。
-
さらに改良して、より使いやすいものにする。
謝辞
FTPRanger は日本学術振興会(JSPS)の
平成18年度科学研究費補助金(奨励研究、課題番号:18918034)
を受けて開発しました。
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MURATA Yasuhisa.
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Last modified: 2010-12-08