生体の脳では、抑制性シナプスは出現と消失を繰り返す |
大脳皮質機能研究系 大脳神経回路論研究部門 |
米国MITとの国際共同研究で、2光子顕微鏡in vivo imagingで、連続9日間、マウス大脳皮質一次視覚野の2/3層の錐体細胞に入力するシナプスの動態を観察した。In utero electropolation法で、in vivo imaging観察用に、抑制性シナプス蛍光ラベルマーカーとしてTeal-Gephyrin, 興奮性シナプス蛍光ラベルマーカーとしてmCherry-PSD95、錐体細胞蛍光ラベルマーカーとしてeYFPコンストラクトを導入した。抑制性シナプスと興奮性シナプスが同時入力する二重神経支配を受ける棘突起(DiS)の抑制性シナプスは、他のどのシナプスよりも、ダイナミックな動態を示した。驚くべき事に、可塑的に出現と消失を繰り返すものが多かった。これは、その抑制性シナプスが、DiSに入力する視床からの興奮入力を抑制すべきかどうかの判断をしている現象の可能性があると考えている。 |
Villa KL, Berry KP, Subramanian J, Cha JW, Oh CO, Kwon H-B, Kubota Y, So PT, Nedivi, E (2016) |