生理研研究会2020

意思決定研究の新展開

~ 社会共感・主観価値の生成・葛藤に関わる神経メカニズム ~

2020914日(月)-15日(火) web開催

提案代表者:雨森賢一(京都大学霊長類研究所・白眉センター)

所内対応者:磯田昌岐

世話人:則武厚

【ご挨拶】
神経経済学の進展とともに、意思決定に影響を及ぼす「価値」には、様々な心象があることが明らかになってきました。たとえば、大脳皮質-大脳基底核回路には、これまで中心になって考えられてきた報酬獲得のための過程だけではなく、罰の回避を目指した神経回路が存在することが明らかになってきています。また主観的な「価値」の中でも、「社会の中の自分の心象」といった社会的な価値が本質的であることが明らかになってきました。我々は、常に、社会の人間関係において、他者が自分のことをどういう風に考えているかを、無意識的に気にかけています。つまり、われわれ動物は、主観的、社会的な様々な価値を統合して、その葛藤の中で意思決定を行っていると考えられます。こうした研究の潮流を踏まえ、「多様な価値の葛藤と統合」と「コミュニケーションと共感」、というテーマで、それぞれの領域で先端的な研究を行っている研究者を集め、新たな展開を見せている意思決定研究に科学的に取り組むためにはどうすべきか、について多角的に討論します。                                  

提案代表者 雨森賢一