[archive] MRI共同利用

脳機能イメージング共同利用研究

現在MRI装置の状態は良好であるが、問題点として所内対応研究教育職員の不足が挙げられる。最近研究人口の増大している脳賦活検査は、主に人間を対象としている関係上、倫理委員会の検討が必須であることから、共同利用には、所内対応研究教育職員との共同研究が前提となる。脳賦活検査の適用は認知科学全般に広がりつつあり、共同利用の申込は人文系(特に言語・心理領域)からの増加が顕著である。一方で、所内対応研究教育職員の守備範囲は限られており、現在の教授1名、准教授1名、助教1名、特任助教2名による対応には限界がある。このため、生体機能情報解析室の近添准教授と一体化した運営を進めた。さらに負担を軽減するため、生理研トレーニングコース、生理研研究会を積極的に組織して、機能的MRIについての、最新の撮像、実験デザインならびにデータ解析手法の周知と共有化を図っている。また、画像撮影用人員の確保も課題であったが、リサーチアシスタント(大学院生)の業務として、スタッフの監督下に画像撮影を行うことにより、対処している。一方で、撮影機器ならびにネットワーク機材のメンテナンス、撮像技術の高水準での安定化、実験用課題プログラムのデータベース化に技官の関与を大幅に増やすなど、業務の切り分けと専門化を進める必要がある。

 

ABiS

生理学研究所は基礎生物学研究所と共に、2016年度より新学術領域研究「学術研究支援基盤形成」のひとつである「先端バイオイメージング支援プラットフォーム(ABiS)」事業を担当することとなった。心理生理学研究部門は、東京大学、順天堂大学とともに磁気共鳴装置等を用いた先端的技術支援を進めた。具体的には、生体の構造と機能を、MRIを用いて可視化し定量解析する技術を標準化して提供することにより、脳画像等の研究を手がけている研究を支援するとともに、個々の研究への最適化を支援している。2017年9月には、ABiS国際シンポジウム“MRI and Cohort Studies: Development of Imaging Science in Human Biology”を日本学術会議講堂で開催した。

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