Mission statement

目標

生理学研究所・大脳皮質機能研究系(現システム脳科学研究領域)・心理生理学研究部門は1999年に設立された。当部門においては、認知,記憶,思考,行動,情動などに関連する脳活動を中心に,ヒトを対象とした実験的研究を推進している。脳神経活動に伴う局所的な循環やエネルギー代謝の変化をとらえる脳機能イメーシング(機能的MRI)と、時間分解能にすぐれた電気生理学的手法を統合的にもちいることにより、高次脳機能を動的かつ大局的に理解することを目指す。特に、機能局在と機能連関のダイナミックな変化を画像化することにより、感覚脱失に伴う神経活動の変化や発達および学習による新たな機能の獲得など、高次脳機能の可塑性のメカニズムに迫ろうとしている。
 

統合的脳機能計測システムの確立

高次脳機能の可塑性を追求するにあたり、脳波・脳磁図や磁気刺激法などの電気的手法と、機能的MRIや近赤外線スペクトロスコピ-(NIRS)など脳血流による機能画像の融合を目指し、非侵襲的にヒト脳機能を観察するための統合システムを確立する。
 

発達生理学ならびに社会神経科学への展開

脳機能画像法を発達生理学ならびに社会神経科学へ展開することにより、社会能力を含む脳機能の正常発達過程と病態の解明に迫るべく、発達の諸段階における脳活動へ上記統合システムを適用することを目指す。