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15. | 霊長類の皮質脊髄路(2)脊髄レベルでの皮質脊髄路損傷後の手指の巧緻運動(Sasaki et al. J.Neurophysiol. 2004)。 |
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Sasaki S, Isa T, Pettersson L-G, Alstermark B, Naito K, Yoshimura K, Seki
K, Ohki Y (2004) Dexterous finger movements in primate without monosynaptic
corticomotoneuronal excitation. Journal of Neurophysiology, 92:3142-3147. これまで、霊長類においては皮質脊髄路が運動ニューロンに直接結合することで手指を1本ずつ個別に動かす器用さが獲得された、と一般に考えられてきた。しかし今回頸髄C5レベルで側索背側部を切断することで皮質脊髄路から運動ニューロンへの直接結合は遮断し、切断部より吻側の介在ニューロンを介する経路は残したところ、手指の巧緻運動が1-3ヶ月以内に回復することが明らかになった。また機能回復が見られたサルにおいて手指の筋の運動ニューロンで細胞内記録を行い、皮質脊髄路を電気刺激すると健常動物に比べて2シナプス性の興奮性経路の信号伝達が強化されていることがわかった。これらの結果は脊髄損傷後の機能代償において、介在ニューロンを介する間接的な経路が重要な役割を果たすことを示しており、リハビリテーションの可能性を広げる重要な知見である。 |
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