井本 敬二
Imoto Keiji
【履歴】
【論文目録】
【研究費】
してきたこと ・ していること ・ したいこと
卒業後内科・神経内科の臨床をしていましたが、1982年からイオンチャネルの分子生物学的研究に従事しました。具体的には、クローン化されたニコチン性アセチルコリン受容体cDNAから、機能的イオンチャネルをアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させ、そのチャネル機能を電気生理学的に解析する研究を行いました。部位特異的変異を導入したイオンチャネルの”単一チャネルsingle-channel”解析を行い、どの部位がイオンチャネルの性質を大きく変えるかという解析から、チャネルの構造を推測するという研究を行いました。
その後、電位依存性ナトリウムチャネルや電位依存性カルシウムチャネルを発現させ、その性質を解析するという研究を行ってきました。特に、ナトリウムチャネルに関しては、ナトリウムチャネルがナトリウムを選ぶ部位を見つけ出し、ナトリウム選択性のメカニズム解明に貢献しました。
1990年代後半となり、電位依存性カルシウムチャネルの変異が、小脳失調症などの神経症状と関係があることが報告されました。しかしカルシウムチャネルがおかしくなると、なぜ小脳がうまく機能しなくなるかは、分かりません。その理由を知るには、実際に神経回路の機能がどのように変化しているかを調べていかなくてはなりません。電位依存性カルシウムチャネルに異常のあるマウスの神経回路を系統的に解析し、なぜ失調症など神経症状が起きるのか、また症状をで難くする方法はないのかという観点から研究を進めています。
疾患モデルマウスの解析から、脳のリズム機能の発生機序とその意義を明らかにしていくことを当面の目的としています。特に視床と大脳皮質の機能的連関をひとつのプロジェクトとして予定しています。
従って最近では、分子生物学的な仕事から離れて、電気生理学的な手法を主に用いるのですが、測定だけは考え方が正しいのか間違っているのかわかりません。モデルを立ててシミュレーションなどを行いモデルをより的確なものにしていく必要があります。これまであまりシミュレーションにはかかわってこなかったのですが、現在勉強中です。
得意なこと
手先が器用で、実験もそこそこ上手な方でした。特に人の実験技術を観察し真似することが得意でした。最近はどうも.....
ドイツの研究室で、空のコンピュータを渡されたこともあり(OSとコンパイラが入っているだけで、測定・解析のプログラムを移植しなくてはならなかった)、プログラムは今でも得意です。構造化言語で育ったので、オブジェクト指向のプログラムができるようになるまでは随分時間がかかりましたが、Visual C++も一応使えるようになりました。
もっとも最近では一からプログラムを書くということはめったになく、解析などもIgor Proでスクリプトを書いて行うことが普通です。
仕事以外のこと
結構道楽な性格なので、当面は趣味に走らないように心がけています。
音楽(残念ながら聴くだけ)も絵画も好きです。植物の観察も好きなことのひとつです。
山歩きが好きで昔はよく行きましたが、最近は全く行っていません。
ネジバナ
Spiranthes sinensis