運動
P33ヒトの周期的な指のタッピング運動中の脳磁図の相動的摂動に対する応答特性
吉野公三 1,高木健太郎 1,野村泰伸 1,佐藤俊輔 1,外池光雄 2
ヒトは教師信号なしでほぼ一定周期のリズムを刻むことができる.このことから,脳内には周期リズムを生成する
``内部時計''が存在すると考えられている.本研究では,右手示指の周期的なフィンガータッピング運動を扱い,それが内部時計に駆動されており,その活動が何らかの形で脳磁図波形に反映されていると仮定した.タッピングサイクルの様々な位相で加えたインパルス状の音刺激およびそれに引続く左示指の単一タッピングにより,右示指の周期運動およびそれを駆動する内部時計を摂動することで,内部時計のインパルス刺激に対する応答特性を調べた.特に,摂動による運動および脳活動リズム(MEG波形)の位相リセットの刺激位相依存性から,被験者グループが2つのタイプに分類できること,位相がリセットする過程のMEG波形が2つのタイプで異なることを示した.最後に,運動リズム制御の神経機構を考察した.