生理学実験技術データベース
Experimental Techniques for Physiological Sciences

G3-29 Last update: 2011-11-02

安楽死用二酸化炭素チェンバー

Carbon Dioxide chamber for Euthanasia
Summary Carbon dioxide inhalation can be use for rodents, provided this equipment is used. Its use is limited to rodents weighing less than about 500 grams.After the rodents are placed in the cage that the lid of aluminum covered , a CO2 is injected for a few minutes. An oxygen monitor is installed in order to make work environment safe and a failure of a valve to fasten is prevented.
用途 マウス、ラットの安楽死には二酸化炭素ガスが使用される。二酸化炭素ガスは安価で、非引火性、非爆発性で取扱者に対しても有害性は少ない。7.5%で知覚は消失し、60%で意識を消失する。安楽死装置として、種々の機器が販売されているが、作業者に安全であり、安価に作製できる装置を製作した。
特徴 専用のチェンバーを使用することなく、飼育に使用しているケージをチェンバーとして流用するため、作業が容易に行える。蓋部分を変更するだけで、あらゆるケージに対応可能である。このため、密閉度が低いが、二酸化炭素ガスをケージからあふれ出さす事でケージ内の二酸化炭素ガスを高濃度で維持する。あふれ出す二酸化炭素ガスによる酸欠とバルブ閉忘れを防ぐために、作業台上に酸素濃度計を設置する。
使用方法
  • 安楽死させたい動物を飼育ケージごと作業台上に置く。
  • 飼育ケージに合ったサイズのアルミ蓋を被せる。
  • 二酸化炭素ガスボンベからのチューブのノズルをアルミ蓋の穴に差し込む。
  • ボンベからガスを注入する。
  • 動物が意識を消失し、反応が無くなるまで十分な時間動物をチャンバー内に置く。
  • 処置後は、ボンベのバルブを閉じ、ノズルを所定の場所に返す。
使用上注意 酸素濃度計の鳴動時の注意
作業時に酸素濃度計が鳴動したら、バルブを閉め、即座に部屋から退出する。
ノズルを所定の場所に返した後に酸素濃度計が鳴動する場合は、バルブが閉じられていない。
作成方法
  • 厚さ2mmのアルミ板をケージのサイズ+4cm程度で切断する。
  • 4隅を切り落とし、縁から2cmの所で折り曲げて、蓋状にする。
  • 中央に直径5mm程度の穴を開ける。
  • レギュレータからのチューブに直径5mm 長さ10cmのステンレスパイプを刺す。
  • ゴム栓をステンレスパイプに差し込む。
 処置後にノズルを返す場所の近傍に酸素濃度計のセンサーが置かれるように酸素濃度計及び返却場所を設定して下さい。これで、作業環境の酸素濃度の確認及びボンベのバルブ閉忘れを防ぐことができます。
参考資料 全体像