新型コロナによる影響で否応なくオンライン開催となった研究会は、小規模な研究会にとってはむしろ良い点ばかりが感じられます。国内、海外の各地で活躍される皆さんの参加が容易であること、 チャットを駆使することで他の質問者を遮ることなく多くの質問を投げかけられること、主催者の手間が大幅に簡素化されることなどです。昨年開催した視覚科学フォーラムは同時最大接続130名超 と多数の参加者に恵まれ、事後のアンケートでもオンラインに好意的な意見が大半でした。これもすべて質の高いトークをしていただいた先生方、興味深く聞いて鋭い質問を投げかけてくださった 参加者の皆様の一体感がなせるものだったと考えています。
今年度も昨年同様、選りすぐりの招待講演による研究会をオンライン開催いたします。内容は遺伝子発現、発生、初期過程、初期情報処理、高次情報処理、知覚と幅広いだけでなく、視覚研究者 にとってぜひ共有すべき重要な研究です。皆様のご参加をお待ちしております。
視覚系の研究には、光を受容するシステム、視覚情報の初期処理過程である網膜、認知に関わる高次視覚中枢、心理物理学や工学モデル、眼科学や神経心理学など病態など様々な階層の研究が含まれます。 それぞれの領域で研究が進展するにつれ、研究分野は細分化し、各研究者個人がすべての分野をカバーできないことはもちろん、個々の研究の位置付けや体系的理解も困難になってきています。 こうした現状をふまえ、密接に関連する研究領域の進歩を理解するために、本研究会を開催します。
今年度は、視覚に関連した各研究分野でご活躍の下記6名の先生方に招待講演をお願いいたしました(50音順)。
9:30-10:10 小川洋平先生(Wash U)「ゼブラフィッシュ中波長領域感受性を示す錐体細胞の遺伝子発現制御メカニズム」
10:10-10:50 小谷野賢治先生(NIH)「Late phase suppression shapes identity and familiarity responses in macaque face patch neurons」
11:00-11:50 伊佐正先生(京都大学)「盲視の脳内メカニズム -非ヒト科霊長類を用いた研究について-」
13:00-13:50 吉田盛史先生(東京大学)「マウス一次視覚野における自然画像の表現」
14:00-14:50 渡辺すみ子先生(東京大学)「網膜発生と変性、維持におけるグリア細胞の役割」
15:00-15:50 内藤智之先生(大阪大学)「人工知能を用いた魅力的な顔および自動車の心的イメージ可視化研究」
京都大学
Wash U
NIH
大阪大学
東京大学
鯉田 孝和(豊橋技術科学大学・エレクトロニクス先端融合研究所)
吉村 由美子(視覚情報処理研究部門)
0564-55-7731
vsf_2021@nips.ac.jp
視覚科学フォーラム Web