生理学研究所年報 第28巻
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9.カルシウムシグナリング研究の新潮流2

2006年11月16日−11月17日
代表・世話人:徳田雅明(香川大学医学部・医学部),
山内 卓(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
所内対応者:井本敬二(神経シグナル)

(1)
カルシウムシグナリング研究の新潮流 (2)
山内 卓(徳島大院ヘルスバイオサイエンス研究部),徳田雅明(香川大医),井本敬二(生理研)
(2)
CaMを介したスフィンゴ脂質代謝制御
光武進,五十嵐靖之(北海道大学・大学院薬学研究院・生体機能化学)
(3)
CaMによる脂肪酸修飾タンパク質を介した膜画分―細胞質間シグナル伝達の制御
林宣宏(藤田保健衛生大学総合医科学研究所)
(4)
Ca2+/CaMによる細胞分裂期キナーゼAurora-Aの機能制御
浦野 健(名古屋大学・大学院医学系研究科・機能分子制御学)
(5)
抗原レセプターを介するカルシウム制御機序
黒崎知博(理化学研究所免疫アレルギー科学総合研究センター分化制御)
(6)
活性酸素,カルシウムによるマスト細胞の活性化生存制御機構
鈴木良弘(日本大学大学院先端医学・分子細胞免疫・アレルギー学部門)
(7)
インスリン分泌機構におけるCdk5によるカルシウムシグナル制御
富澤一仁(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・細胞生理学)
(8)
調節性小胞輸送におけるシナプトタグミン様蛋白質(Slp) の役割
福田光則(東北大学大学院・生命科学研究科・膜輸送機構解析分野)
(9)
代謝型受容体相互作用によるシナプス後シグナルの調整
田端俊英,狩野方伸(大阪大学・医学系研究科・細胞神経科学)
(10)
CaMキナーゼカスケード標的分子の探索と機能調節
徳光 浩,小林 良二(香川大学・医学部・生体情報分子学)
(11)
新規CaMキナーゼCLICK-III/CaMKIgによる樹状突起形成制御
竹本-木村 さやか,石原奈津実(東京大学大学院医学系研究科・神経生化学)
(12)
CaMキナーゼのin vivoにおける活性制御と脳高次機能に対する役割の解明
喜田 聡(東京農業大学・応用生物科学部・バイオサイエンス学科)
(13)
活性窒素ストレスとCaMキナーゼ
渡邊泰男(昭和薬科大学・薬理学),徳田雅明(香川大学・医学部・細胞情報生理学)

【参加者名】
徳田雅明(香川大医),光武進(北海道大院薬学),福田光則(東北大院生命科学),阪上洋行(東北大医),竹本さやか,尾藤晴彦(東京大院医学),喜田聡,古市隆大,福島穂高,野本真順(東京農業大応用生物科学),鈴木良弘,吉丸哲郎,井上寿男,北村香奈(日本大医),渡邊泰男,神戸敏江,宮本嘉明(昭和薬科大),黒崎知博(理化学研究所),石田英之,東島直子(東海大医),林宣宏,近藤晶子,中村政志,萩原英雄,高崎さゆり,竹内真粧美(藤田保健衛生大),浦野健(名古屋大院医学),松原守(京都学園大),田端俊英(大阪大院医学),富澤一仁,韓小建(岡山大院医歯学総合),山内卓,落合祥啓,黒木大介,林佳江,山口弘子,田中利枝(徳島大薬),徳光浩,小林良二,藤本智仁,揺本沙紀,波多野直哉,神鳥和代,董有毅,逢坂和昌,藤本真知子,高田麻紀,塚本郁子,齋藤まど香(香川大医),亀下勇(香川大農),山本秀幸(琉球大医),中川直,佐竹伸一郎,斉藤紀美香,佐々木幸恵,山肩葉子,井本敬二(生理研)

【概要】
 平成16年度の第1回目の研究会『カルシウムシグナリング研究の新潮流』では,EFハンドカルシウム結合蛋白質や,カルモデュリン依存性酵素という,蛋白質に注目しての発表を組んだが,今回はカルシウムシグナルを用いて起こる生体反応・生体機能に注目してのプログラムを企画した。

 脂質シグナルや細胞分裂シグナルなどのシグナル系でのカルシウム制御の重要性や,神経機能や免疫機能,さらには炎症反応におけるカルシウムシグナリングなどが議論された。幅広い分野からの発表により,これまでに余り交流のなかった分野の研究者間の議論が実現したことについては,参加者からも大変有意義な研究会になったとの評価を受けた。また第1回目の参加者も多数参加し,今回の研究会との継続性も確保できたことも特記される。

 これからも参加者全員がカルシウムシグナリングをキーワードとして交流を継続するとともに,さらに裾野を広げていく努力をしていくことを約して会を終えた。

 

(1) カルシウムシグナリング研究の新潮流 (2)

山内 卓(徳島大院ヘルスバイオサイエンス研究部),徳田雅明(香川大医),井本敬二(生理研)

 平成16年に引き続きここにカルシウムシグナリングの新潮流のテーマで研究会を開催できますことは私たちにとって大きな喜びであります。

 本研究会では,細胞機能をタンパク質機能の総合的制御という観点から知るために,カルシウムシグナリングに焦点をあて展開します。カルシウムシグナルは非常に短時間から,かなり長時間に亘り多くの生理機能調節において重要な役割を果たしています。このシグナル経路に関わる分子は極めて多岐に渡ることから,現状では,体系化された研究の展開はなされていないと思われます。カルシウムシグナリングにおいては,カルシウム結合蛋白質がシグナルを受容し,それを次の蛋白質・酵素との相互作用により実現することが一般的でありますし,これまでに多種多様なカルシウム結合タンパク質が知られています。

 前回は,カルシウムシグナルについて広くタンパク質の構造と機能に注目し,第1部では『EFハンドカルシウム結合蛋白質の新たな展開』として,カルモデュリンをはじめEFハンドカルシウム結合蛋白質のカルシウム受容機構とその後のシグナル伝達様式や新しい機能について6演題の発表があり,それを受けて,第2部では『カルモデュリン依存性酵素の新しい展開』として,カムキナーゼを中心としたカルモデュリン依存性酵素の機能およびそのシグナリング機構を,神経組織ばかりでなく様々な組織における解析について9演題が発表がありました。生理的現象から見るとかなり広い範囲に渡った発表となりました。

 今回は主に実際に実験に携わっている若い研究者の方々の発表を中心に計画されています。第1部は『生体反応とカルシウムシグナル』として,免疫系,分泌系,筋肉の収縮等,生体機能調節とその異常による病態について6演題の発表があります。第2部は『神経機能とカルシウムシグナル』として,シナプス伝達や神経細胞の形態形成,カムキナーゼによる調節等について6演題の発表があります。前回と発表者が大幅に交代しておりますことは,カルシウムシグナルの研究分野および研究者の多様性を示しているものと考えています。

 カルシウムシグナリングにおいて,ダイナミックな情報処理の基礎過程を担う重要な分子の制御機構と働きに注目して本研究会が計画されましたが,参加者の皆様がお互いに情報交換され,新しい共同研究や新しい分野への発展の示唆となれば幸いです。また,本研究会を企画・実施・協力して下さる関係者の皆様に深い感謝を申し上げます。

 

(2) CaMを介したスフィンゴ脂質代謝制御

光武進,五十嵐靖之(北海道大学・大学院薬学研究院・生体機能化学)

 スフィンゴ脂質は,コレステロールやグリセロリン脂質と並んで細胞膜を構成する脂質群で,近年,脂質マイクロドメインの形成に重要な働きを持つ事や代謝物が細胞内セカンドメッセンジャーとして働く事が明らかになり注目を集めている。中でもセラミド(以下Cer)は,細胞内脂質セカンドメッセンジャーとして細胞周期の停止やアポトーシスの誘導に関与する事が知られている。セラミドキナーゼ(以下CERK)は,このセラミドをリン酸化しセラミド1-リン酸(以下C1P)を生成する酵素で2002年にクローニングされ,脳や心臓にmRNAの発現が高いものの様々な組織に広く分布している事が明らかになった(1)。我々は,マスト細胞のモデル細胞としてよく用いられるRBL-2H3細胞を用いた実験でIgE- 抗原または,カルシウムイオのフォアで脱顆粒を誘導した際に細胞内のC1P量が増加する事を見いだした。また,CERKを安定発現させた細胞株RBL-CK3では,親株と比較して5倍程度の脱顆粒の促進が観察された。これらの結果からCERKは,RBL細胞のCa2+依存的な脱顆粒に関与していることが明らかになった(2)。一方CERKの1次構造には,Ca2+が直接結合するような領域が見当たらず,どのような機構でCa2+依存的に活性化されるか興味が持たれた。興味深い事に反応液中にカルモジュリン(以下CaM)を加えた所,CERKは600 nMという低濃度のCa2+によって活性化され,またCaMアンタゴニストとして知られるW-7でこの活性化は抑えられた。さらにCaM-Sepharoseを用いた結合実験により,Ca2+依存的なCERK -Ca2+/CaM間の結合部位がCERKのC末端部分のaa422-435に存在する事が解った(3)。つまり,細胞内に於いてCERKは,Ca2+/CaM複合体と結合し活性化される事が明らかになった。これまでグリセロリン脂質の代謝系においてCa2+/CaMの関与が報告されてきたがスフィンゴ脂質の代謝酵素が直接Ca2+/CaMによって制御されているという報告は無く,Cerの細胞内セカンドメッセンジャーとしての働きと併せて考えると興味深い。今回の研究会では,この他に最近我々が行ったCERK阻害剤の仕事(4)も併せて紹介出来ればと考えている。

(参考文献)

 Mitsutake S, Kim TJ, and Igarashi Y, Sphingolipid Biology, 207, Springer (2006)

 Mitsutake S, Kim TJ, Inagaki Y, Kato M, Yamashita T, and Igarashi Y, J. Biol. Chem. 279, 17570 (2004)

 Mitsutake S, and Igarashi Y, J. Biol. Chem. 280, 40436 (2005)

 Kim, JW, Inagaki Y, Mitsutake S, Maezawa N, Katsumura S, Ryu YW, Park CE., Taniguchi M, and Igarashi Y Biochim. Biophys. Acta, 1738, 82 (2005).

 

(3) CaMによる脂肪酸修飾タンパク質を介した膜画分―細胞質間シグナル伝達の制御

林宣宏(藤田保健衛生大学総合医科学研究所)

 ミリストイル基は,膜画分へタンパク質が移行する際のアンカーとして考えられてきたが,これまでに,Neuron-specific Acidic Protein-22kDa(NAP22),HIV Nef,Src kinaseのミリストイル基が細胞内シグナル伝達系の主要因子であるカルモジュリン(CaM) との相互作用も制御していることを明らかにしてきた。この相互作用は,プロテインキナーゼCによる,CaM結合部位のリン酸化により制御される。ミリストイル化タンパク質は複数の細胞内シグナル伝達系のクロストークにより制御されて膜画分と細胞質領域を往来することで,空間的に異なる領域間のシグナルの連絡を担っている。ミリストイル化蛋白質の機能ドメインのアミノ酸配列が,移行する膜画分の違いを反映して多様であると同時にCaMの制御を受けるために両親媒性を保持していることにより,このメカニズムは機能している。ゲノムワイドの解析によりミリストイル化タンパク質データベースを構築し(http://mendel.imp.ac.at/ myristate/myrbase/),その中からミリストイル化によりCaMとも相互作用するものを抽出することでシグナル伝達経路のクロストークポイントの同定を進めている。

 CaMによるミリストイル化タンパク質を介した膜画分―細胞質間シグナル伝達の制御の生理的意義を理解するためには,生きた細胞内でのミリストイル化タンパク質の動態を知る必要がある。一分子追跡,in cell NMR,質量分析により観測対象分子の細胞内での位置情報と機能構造の変化を同時にリアルタイムで検出し,さらにその翻訳後修飾やプロセッシング,どのような分子と複合体を形成しているのかに関する情報,等を得て,それらを統合することで細胞をマイクロラボとして使用する実験系の開発を進めている。

(参考文献)

 1. Takasaki, A., Hayashi, N., Matsubara, M., Yamauchi, E. & Taniguchi, H. (1999). J Biol Chem 274, 11848-53.

 2. Hayashi, N., Izumi, Y., Titani, K. & Matsushima, N. (2000). Protein Sci 9, 1905-13.

 3. Hayashi, N., Matsubara, M., Jinbo, Y., Titani, K., Izumi, Y. & Matsushima, N. (2002). Protein Sci 11, 529-37.

 4. Matsubara, M., Titani, K., Taniguchi, H. & Hayashi, N. (2003). J Biol Chem 278, 48898-902.

 5. Maurer-Stroh, S., Gouda, M., Leite, F., Novatchkova, M., Schleiffer, A., Schneider, G., Wildpaner, M., Hayashi, N. & Eisenhaber, F. (2004). Genome Biology 5, Article R21.

 6. Hayashi, N., Nakagawa, C., Ito, Y., Takasaki, A., Jinbo, Y., Yamakawa, Y., Titani, K., Hashimoto, K., Izumi, Y. & Matsushima, N. (2004). J Mol Biol 338, 169-80.

 7. Matsubara, M., Jing, T., Kawamura, K., Shimojo, N., Titani, K., Hashimoto, K. & Hayashi, N. (2005). Protein Sci 14, 494-503.

 

(4) Ca2+/CaMによる細胞分裂期キナーゼAurora-Aの機能制御

浦野 健(名古屋大学・大学院医学系研究科・機能分子制御学)

 ショウジョウバエや酵母において染色体分離の調節タンパク質として同定されたプロテインキナ−ゼAuroraのヒトホモローグは3種類存在する。Aurora-Aは, 中心体および紡錘体極に存在し, 中心体の分離成熟や紡錘体ダイナミクスを制御していることが知られている。多くのがん細胞においてDNA増幅やタンパク質の発現増強が認められており,がん治療の標的分子となっている。

 多くのキナーゼにおいてキナーゼ領域よりC末端は制御領域として機能している場合が多いが,AuroraファミリーにそのC末端領域は存在しない。つまりC末端領域に代わる制御タンパク質が存在する可能性が考えられた。また,Ca2+は細胞分裂の様々な制御に関与することが知られている。そこで,Ca2+存在下でAurora-Aに結合するタンパク質を解析したところ,カルモジュリンを同定した。構造学的解析からもカルモジュリン結合領域が存在することが判明した。実際,Ca2+依存的にカルモジュリンはAurora-Aと直接結合し,さらにそのキナーゼ活性を抑制した。さらにGFP融合カルモジュリンを用いて細胞内での挙動を確認したところ,中心体および紡錘体極に存在し,Aurora-Aの時間的空間的動態と一致した。また,細胞内のCa2+濃度は分裂後期に上昇していた。

 Ca2+/カルモジュリン複合体によるキナーゼ活性の直接的抑制は初めての報告である。分裂後期促進複合体によるAurora-Aのタンパク質分解と協調して,分裂後期においてCa2+/カルモジュリンがAurora-Aのキナーゼ活性制御を行っており,この発見はがん治療への応用が期待される。

(参考文献)

 1. 浦野 健:細胞周期集中マスター北川雅敏編,−レビュー編第1章細胞周期を制御するリン酸化酵素−,株式会社羊土社,東京,2006年6月

 2. 浦野 健 : 華麗なるAurora一族−クロマチン動態におけるプロテインキナーゼAuroraの役割−。 生化学 77: 253-260, 2005

 3. Ohashi S, Sakashita G, Ban R, Nagasawa M, Matsuzaki H, Murata Y, Taniguchi H, Shima H, Furukawa K and Urano T.: Phospho-regulation of human Protein Kinase Aurora-A: Analysis using anti-phospho-Thr288 monoclonal antibodies. Oncogene, in press.

 

(5) 抗原レセプターを介するカルシウム制御機序

黒崎知博(理化学研究所免疫アレルギー科学総合研究センター分化制御)

 Bリンパ球抗原受容体(BCR) 刺激により,脂質代謝酵素ホスホリパーゼ(PLC)-g2が活性化されるが,この酵素のBリンパ球の分化・免疫応答における重要性は,ノックアウトマウスの解析より示されてきた。PLC-g2はPIP2を水解してIP3とDAGを産生する酵素であり,BCR刺激により生じるカルシウム動員に必須である。

 生じたIP3がどのような分子機序を用いて,カルシウムの細胞内上昇を制御しているかを明らかにする目的で,ノックアウトが容易にできるモデルBリンパ球DT40を用いて研究を行ってきており,以下のことを明らかにすることができた。1) 生じたIP3はERに存在するIP3レセプターに結合して細胞内プールからカルシウムを動員することが,これに引き続く細胞外プールからのカルシウム動員に必須であること。2) 細胞内プールのカルシウム枯渇は,ERに存在するSTIM1分子が感知する。3)感知したSTIM1分子は,細胞膜直下に移動し凝集し,そしてこの,移動・凝集がおそらく細胞膜内に存在するチャンネル分子であるOriを活性化することにより細胞外プールからのカルシウム動員を引き起す。

(参考文献)

 Sugawara, H. et al. Genetic evidence for involvement of type 1, type 2, and type 3 inositol 1,4,5-trisphosphate receptors in signal transduction through the B cell antigen receptor. (1997) EMBO J. 16, 3078-3088

 Miyakawa, T. et al. Ca2+-sensor region of IP3 receptor controls intracellular Ca2+ signaling. (2001) EMBO J. 20, 1674-1680

 Hikida, M. et al. Coupling between B cell receptor and phospholipase C-g2 is essential for mature B cell development. (2003) J. Exp. Med. 198, 581-589

 Hikida, M. and Kurosaki, T. Regulation of phospholipase C-g2 networks in B lymphocytes. (2005) Adv. Immunol. 88, 73-96

 Baba, Y., et al. Constitutive and inducible movement of STIM1 on ER and its sub-compartment contributes to coupling STIM1 to store-operated Ca2+ entry. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (in press)

 

(6) 活性酸素,カルシウムによるマスト細胞の活性化生存制御機構

鈴木良弘(日本大学大学院先端医学・分子細胞免疫・アレルギー学部門)

 われわれは,マスト細胞が抗原刺激により活性酸素(ROS) を産生することおよびROSが細胞内カルシウムを制御することを明らかにしている(Suzuki et al. J. Immunol. 171:6119-6127, 2003)。このROS産生には高親和性IgE受容体(FceRI)のb鎖とLynの結合とphosphoinositide-3-kinase (PI3K) 活性化が必要であることが示された。これらのシグナルはeNOSを介したNO産生を誘導し,マスト細胞の活性化反応を負に制御することが示唆された。一方,NOはマスト細胞を活性化細胞死から防御することがわかった。またFceRI b鎖はミトコンドリアにおけるカルシウム流入とmitochondrial permeability transition pore (MPTP)を介するカルシウム流出を調節し,このカルシウム流出は,細胞内カルシウムの上昇をもたらし,カルシウムストア依存性カルシウムチャネル (store-operated calcium channels, SOCs)の活性化を抑制するネガティブフィードバック機構として機能していることが推測された(Suzuki et al. J. Leukoc. Biol. 79: 508-518, 2006)。本講演では最近明らかになりつつあるL型カルシウムチャネル(LTCC) のマスト細胞死抑制機能についても紹介し,ROSおよびカルシウムシグナルによるマスト細胞の機能生存制御機構について話題を提供したい。

 

(7) インスリン分泌機構におけるCdk5によるカルシウムシグナル制御

富澤一仁(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科・細胞生理学)

 サイクリン依存性キナーゼ5(Cdk5) は神経細胞に豊富に存在し,神経細胞の移動・層構造の形成,シナプス可塑性あるいは神経伝達物質放出制御など神経細胞において多機能を有するセリン・スレオニンリン酸化酵素である。特に神経終末においてP/Q型電位依存性Ca2+チャネル(VDCC) をリン酸化することにより,神経終末へのCa2+流入を抑制している。最近我々は,Cdk5が膵b 細胞に発現し,ブドウ糖応答性インスリン分泌を制御していることを明らかにした。膵b 細胞におけるCdk5阻害は,低血糖時ではインスリン分泌に影響を及ぼさないが,高血糖時ではインスリン分泌を促進する。この分子メカニズムは,Cdk5が膵b 細胞のL型VDCCの783番のセリンをリン酸化することにより,細胞内へのCa2+流入を制御していることによるものであった。2型糖尿病患者に対し,スルフォニル尿素剤,ナテグリニドなどのインスリン分泌促進剤が広く臨床で使用されているが,これら薬剤には低血糖の副作用がしばし認められる。Cdk5は低血糖を誘発しない糖尿病治療薬の新しい薬剤標的となると考えられる。

(参考文献)

 Tomizawa et al., J Neurosci 22, 2590 (2002)

 Tomizawa et al., J Cell Biol 163, 813 (2003)

 Wei et al., Nat Med 11, 1104 (2005)

 

(8) 調節性小胞輸送におけるシナプトタグミン様蛋白質(Slp)の役割

福田光則(東北大学大学院・生命科学研究科・膜輸送機構解析分野)

 「分泌」とは膜輸送(メンブレントラフィック)の一形態で,細胞内を移動してきた小胞が細胞膜と融合し小胞の内容物を細胞外へと放出する現象です。僅か二文字で書けてしまいますが,実際には下図に示すように少なくとも四つのステップからなる複雑な現象です。分泌には細胞内で恒常的に行われている構成性の分泌と,外界からの刺激に依存して起こる「調節性の分泌」の二種類が存在します。神経伝達物質放出に代表される調節性分泌の多くは,分泌小胞と細胞膜の融合がカルシウムイオン濃度により厳密に制御されることから,小胞上にはカルシウムイオン濃度の上昇を感知するセンサー(「カルシウムセンサー」)の存在が提唱されています。シナプス小胞上にはカルシウム・リン脂質結合領域(C2ドメイン)をタンデムに持つシナプトタグミンI分子が豊富に存在しており,現在では神経伝達物質放出の際のカルシウムセンサーと広く信じられています。分泌を起こすためには二種類の膜(分泌小胞と細胞膜)の結合が不可欠なため,シナプトタグミンのC2ドメインはカルシウムを結合する以外にも小胞と細胞膜のドッキングあるいは融合に重要な役割を果たすと考えられています。シナプトタグミンのファミリーは主に神経細胞や内分泌細胞で発現していますが,調節性の分泌は他の非神経系の細胞でも幅広く見られる現象です。本講演では,非神経系にも幅広く発現するシナプトタグミン類似分子として同定したシナプトタグミン様蛋白質(Slp=スリップ)の内分泌,外分泌における役割,特に低分子量G蛋白質Rab27のエフェクターとしての機能に焦点を当て,最近の知見を紹介する予定です。

(参考文献)

 Fukuda, M. (2005) Versatile role of Rab27 in membrane trafficking: Focus on the Rab27 effector families. J. Biochem. 137, 9-16

 Tsuboi, T. and Fukuda, M. (2006) Rab3A and Rab27A cooperatively regulate the docking step of dense-core vesicle exocytosis in PC12 cells. J. Cell Sci. 119, 2196-2203

 Tsuboi, T. and Fukuda, M. (2006) The Slp4-a linker domain controls exocytosis through interaction with Munc18-1•syntaxin-1a complex. Mol. Biol. Cell 17, 2101-2112

 Saegusa, C., Tanaka, T., Tani, S., Itohara, S., Mikoshiba, K. and Fukuda, M. (2006) Decreased basal mucus secretion by Slp2-a-deficient gastric surface mucous cells. Genes Cells 11, 623-631.

 

(9) 代謝型受容体相互作用によるシナプス後シグナルの調整

田端俊英,狩野方伸(大阪大学・医学系研究科・細胞神経科学)

 細胞外カルシウム・イオン(Ca2+o) はシナプス前ニューロンからの伝達物質放出のトリガーとして働くことがよく知られている。最近,我々はマウス小脳プルキンエ細胞 (PC) をモデルとした一連の研究により,Ca2+oがシナプス後ニューロンのシグナリングにも重要であることを明らかにした(1)

 PCの樹状突起棘にはタイプ1代謝型グルタミン酸受容体 (mGluR1) が発現している。mGluR1はGqタンパクと共役し,陽イオン・チャネルの開口や細胞内ストアからのCa2+放出などの細胞反応と連関する。我々はC2++oがPCのmGluR1反応を誘発することを見出した(2)。mGluR1反応のCa2+o濃度依存性が発現系で示されたCa2+o-mGluR1親和性(3)とほぼ一致することから,Ca2+oはPCのmGluR1を直接活性化すると考えられる。

 またCa2+oはグルタミン酸によって誘発されたPCのmGluR1反応を増強することが分かった(Ca2+o-mGluR1増強)(2,4)。 PCの樹状突起棘にはGi/oタンパク共役型gアミノ酪酸受容体(GABABR)も発現している(5)。GABABRを薬理的に阻害,もしくは遺伝子的にノックアウトすると,Ca2+o-mGluR1増強が消失した(4)。従ってCa2+o-mGluR1増強はGABABR によって仲介されると考えられる。

 Ca2+o-mGluR1増強は先行研究(6)で報告された比較的高濃度のGABA類似体GABABRアゴニストによるmGluR1反応の増強とは根本的に異なる。Ca2+o-mGluR1増強はmGluR1のグルタミン酸親和性の変化を反映したものであることが分かった(2,4)。またGi/oタンパクに依存しないことが分かった(4)。免疫共沈でマウス小脳からGABABRとmGluR1の複合体が検出されたこと(4)を考えあわせると,Ca2+oを受容したGABABRは直接もしくはGi/oタンパク以外のアダプター分子等を介して近接するmGluR1を変調すると考えられる。一方,GABA類似体GABABRアゴニストによる増強は主としてmGluR1とGqタンパク・シグナル・カスケードの連関効率の変化によるものであることが分かった(7)。またGi/oタンパクbgサブユニットに依存することが分かった[(6,7) および未発表データ]

 PCのmGluR1は運動学習を支えるシナプス可塑性である小脳長期抑圧 (LTD) の誘導で中心的な役割を果す。Ca2+o-mGluR1増強はPCのグルタミン酸誘発電流のLTDを促進した(4)。またGABA類似体GABABRアゴニストはCa2+oの効果に対して加算的にさらなる促進作用を示した(未発表データ)。

 以上の結果は,Ca2+oが伝達物質とは異なる様式で代謝型受容体に作用することで,多様なシナプス後シグナルを創出する可能性を示している。

(参考文献)

 (1) T. Tabata, M. Kano, Mol. Neurobiol. 29, 261-270 (2004).

 (2) T. Tabata, A. Aiba, M. Kano, Mol. Cell. Neurosci. 20, 56-68 (2002).

 (3)Y. Kubo, T. Miyashita, Y. Murata, Science 279, 1722-1725 (1998).

 (4) T. Tabata et al., Proc Natl Acad Sci U S A 101, 16952-16957 (2004).

 (5) A.Kulik et al., Eur. J. Neurosci. 15, 291-307 (2002).

 (6) M. Hirono, T. Yoshioka, S. Konishi, Nat. Neurosci. 4, 1207-1216 (2001).

 (7) T. Tabata, T. Yoshida, K. Hashimoto, Y. Hashimotodani, M. Kano, Paper presented at Neuroscience 2005 Annual Meeting Program 332.20 (2005)。

 

(10) CaMキナーゼカスケード標的分子の探索と機能調節

徳光 浩,小林 良二(香川大学・医学部・生体情報分子学)

 細胞内カルシウムは細胞内情報伝達因子として筋収縮,分泌反応,神経伝達物質の放出さらには遺伝子発現調節にいたる様々な生理作用を調節することが知られている。特に,カルシウム受容タンパク質であるカルモデュリン(CaM)を活性化因子とするCa2+/CaM-依存性タンパク質リン酸化酵素群(CaM-キナーゼ)によるリン酸化反応を介した情報伝達機構は,これら多様なカルシウムシグナル伝達の中心的なメカニズムの一つと考えられる。近年,CaM-キナーゼ活性化リン酸化酵素 (CaM-KK)の同定とその遺伝子クローニングにより,2種類の多機能性CaM-キナーゼ(CaM-KIおよびCaM-KIV)が上流に位置するCaM-KKによるリン酸化反応を介して機能調節を受けることが示され,CaM-キナーゼカスケードと呼ばれる新しい細胞内カルシウム情報伝達機構の概念が提唱された1,2)

 またCaM-キナーゼカスケード分子(CaM-KK/CaM-KI)が線虫C.elegansより遺伝子クローニングされ,CaM-キナーゼカスケードが真核生物において広く保存されたカルシウム情報伝達システムであることが機能的再構成により明らかになるとともに3,4,5),この新しいカルシウム伝達機構の詳細な分子メカニズムについても解明されつつある6,7,8)

 CaM-キナーゼカスケード研究の展開は,ノックアウトマウスを用いた個体解析から,小脳の発達や不妊との関連さらには,海馬における後期の長期増強 (LTP) への関与9)など多くの重要な生理作用が明らかとなってきている。しかし一方で,どのような標的リン酸化基質分子がこれらCaM-キナーゼカスケードの生理機能に関与しているかは不明な点が多く,このブラックボックスを解明するためには,CaM-キナーゼカスケードの生理的基質分子の同定が不可欠である。最近,私達はタンパク質リン酸化酵素・基質間相互作用を質量分析法を用いて捕らえる手法を開発し,これによりCaM-KK/CaM-KIカスケードの基質分子の網羅的同定を行うとともに,リン酸化の生理的意義について検討したので,その結果を報告する10)。加えて独自に開発したCaM-KK阻害剤(STO-609)11,12) を用いた新たなリン酸化酵素カスケードの知見を含め,CaM-キナーゼカスケードについて分子メカニズムから生理機能まで包括的に議論したい。

(参考文献)

 1) Tokumitsu et al. JBC, 269, 28640, 1994

 2) Tokumitsu et al. JBC, 270, 19320, 1995

 3) Eto et al.JBC, 274, 22556, 1999

 4) Tokumitsu et al.JBC, 274, 15803, 1999

 5) Kimura et al. EMBO rep. 3, 962, 2002

 6) Tokumitsu et al. JBC, 271, 5617, 1996

 7) Tokumitsu et al. JBC, 275, 20090, 2000

 8) Tokumitsu et al. JBC, 279, 40296, 2004

 9) Kang et al. Cell 106, 771, 2001

 10) Tokumitsu et al. JBC, 280, 35108, 2005

 11) Tokumitsu et al. JBC, 277, 15813, 2002

 12) Tokumitsu et al.JBC, 278, 10908, 2003

 

(11) 新規CaMキナーゼCLICK-III/CaMKIg による樹状突起形成制御

竹本-木村さやか,石原奈津実(東京大学大学院医学系研究科・神経生化学)

 神経細胞樹状突起・軸策の形成および可塑性発現は遺伝的情報と神経活動情報の両者が協調的に作用することで達成される。後者による神経突起形態制御において細胞内カルシウムシグナリングが重要な役割を果たすことが示されているが,その分子機構についての知見は限られている。

 我々は以前に膜挿入型神経特異的CaMキナーゼ,CLICK-III/CaMKIgを同定した(Takemoto-Kimura et al., 2003)。CLICK-IIIの活性化は他のCaMキナーゼと同様にカルシウム上昇に依存する。興味深いことに本酵素はプレニル化,パルミトイル化という複数の脂質修飾反応を介して,形質膜やゴルジ膜などの特定膜器官へとソートされ,多量体形成することが生化学的実験により示唆された。また,モデル細胞においてCLICK-IIIは,脱分極刺激による神経突起形成を脂質修飾依存的に誘導することを明らかとした。

 一方,本酵素は神経突起形成が盛んである胎生後期のマウス大脳皮質に多く発現している。そこで,培養大脳皮質細胞への遺伝子導入実験により,神経細胞軸策・樹状突起形成への関与を検討したところ,本酵素の活性が樹状突起数・長さと相関することが分かった。樹状突起とは対照的に軸策形成における関与は観察されなかった。

 以上の結果より,CLICK-III/CaMKIgは,大脳皮質細胞のカルシウム依存的樹状突起形態形成に密接に関与するキナーゼであり,形質膜やゴルジ体への脂質修飾による局在化が樹状突起形成において積極的な役割を担う可能性が示唆された。

 

(12) CaMキナーゼのin vivoにおける活性制御と脳高次機能に対する役割の解明

喜田 聡(東京農業大学・応用生物科学部・バイオサイエンス学科)

 aCalcium/Calmodulin dependent protein kinase II (aCaMKII) は前脳領域に高発現し,Ca2+情報伝達系の下流に存在するキナーゼとして脳高次機能制御に中心的な役割を果たすと考えられている。aCaMKIIは細胞内Caイオン濃度上昇に伴いCa-CaM複合体との結合によって活性化され,さらに286番目のスレオニン(Thr)の自己リン酸化を受けるとCa-CaMの解離後も活性化状態が維持される。一方,CaMKIVも前脳領域に発現し,CREBキナーゼとして記憶能力に関わることが知られている。我々はこれらCaMキナーゼ群による脳機能制御の分子メカニズムの解明を目指して,in vivoにおけるCaMキナーゼの活性変動のリアルタイムモニタリングとマウス遺伝学的手法を用いたCaMキナーゼ群の脳高次機能に対する役割の解明に取り組んでいる。

 (1) aCaMKIIの活性変動のin vivo リアルタイムモニタリング

 aCaMKIIとGFP変異体群との様々な融合タンパク質を作製し,FRETを用いて培養細胞におけるaCaMKIIの活性変動のリアルタイム解析を試みている。現在までにYFP-aCaMKIIとCFP-CaMを用いたaCaMKIIとCaMとの相互作用解析系,YFP-aCaMKII-CFPを用いたaCaMKIIの構造変化解析系の開発に成功しており,二つの系を併用することでaCaMKIIの活性変動制御機構の解析を試みている。将来的にはこれらのイメージング用プローブを発現するマウスを作製し,脳機能発現時のaCaMKIIの活性変動を追跡したいと考えている。

 (2)マウス遺伝学的手法を用いたaCaMKIIの脳高次機能に対する役割の解明

 aCaMKIIは学習・記憶能力に必須であると考えられているが,過去のノックアウトマウスの解析から,aCaMKIIが学習能力のみならず,情動行動にも関与することが示唆された。我々は,aCaMKIIの情動行動制御及び学習能力に対する役割の解明を目的として,前脳特異的にaCaMKIIを過剰発現するトランスジェニックマウス(TgM)を作製し,その表現型を解析した。このTgMは野生型よりも約2.5倍量のCaMKII発現量を示した。さらに,open field test,elevated zero maze test等の解析結果から,この変異型マウスには不安行動の亢進が観察され,また,攻撃性も高いことが明らかとなった。以上の結果と,過去の知見との比較から,CaMKIIの発現量と不安状態が正に相関することが考察された。

 (3) マウス遺伝学的手法を用いたCaMKIVの脳高次機能に対する役割の解明

 CaMKIVは過去のノックアウトマウスの解析結果から,長期記憶形成に必須であることが知られている。我々はマウス海馬におけるCaMKIVの発現量が加齢と共に減少することから,CaMKIV過剰発現により加齢に伴う記憶力低下が妨げられるのではないかと考え,この仮説を検討している。現在までの解析から,CaMKIV過剰発現マウスでは加齢に伴う記憶能力低下が観察されないことを示唆する結果が得られている。

(参考文献)

 喜田 聡,加藤健一,岩本拓,伊藤元則;分子内・分子間FRETを利用した生細胞内分子動態のリアルタイムイメージング,日本農芸化学会誌 77, 432-436, 2003

 喜田 聡,吉田太郎,遠藤健悟;aCaMKII発現量に応じた攻撃性の変化,アニテックス 14, 259-265, 2002

 

(13) 活性窒素ストレスとCaMキナーゼ

渡邊泰男(昭和薬科大学・薬理学),徳田雅明(香川大学・医学部・細胞情報生理学)

 中枢神経における一酸化窒素 (NO) は,生体内情報伝達物質として記憶・学習・細胞死など,重要かつ多彩な働きを持つ。近年,機能タンパク分子のシステインニトロソ化によるシグナル伝達は,レドックス制御による翻訳後修飾のプロトタイプとなっている。脳虚血時には,神経型NO合成酵素(nNOS)と局在を共にしているMatrix- metalloprotease-9がnNOSの産生するNOによってニトロソ化修飾を受け活性化されアポトーシスを引き起こすことが報告されている(1)。一方,nNOSはCaMキナーゼI,II (2, 3)ならびにMAPKシグナルの下流分子であるribosomal S6 kinase(4)によるリン酸化修飾を受け,その活性が大脳基底核線条体のドパミン信号系(5),海馬神経の虚血信号系で調節されている(6)。我々はnNOSをリン酸化する酵素(nNOSキナーゼ群)のニトロソ化による活性制御機構の解明を行っている。今回,シナプス後神経細胞でnNOSと局在を共にするCaMキナーゼIIが,nNOSの産生するNOによるニトロソ化修飾を受け,キナーゼ活性が調節されていることを分子・細胞レベルで解析したので報告する。

(参考論文)

 (1) Gu Z. et al. Science (2002) 297, 1186-1190

 (2) Komeima K. et al. J. Biol. Chem. (2000) 275, 28139-28143

 (3) Song T. et al. FEBS Lett. (2004) 570, 133-137

 (4) Song T. et al. Biochem. J. (2006) in press

 (5) Nishi A. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (2005) 102, 1199-1204

 (6) Osuka, K. et al J. Cerebr. Blood F. Met. (2002) 22, 1098-1106

 


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