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随意運動を行う際、前頭前野で企画された後、どのような経路で運動野に至り具体的な運動となるのかが、大きな問題である。従来の解剖学的方法は、線維連絡を調べるには有効であるが、シナプスを超えて標識できないのが欠点であった。ある種の神経疾患ウイルスは、シナプスを超えて感染を起こす事から、標識物質として使うことが期待できる。本論文では、狂犬病ウイルスが、神経終末から細胞体に向かって逆行性に感染し、しかもシナプスを超えて感染が広がることを利用して、前頭前野から運動野に至る線維連絡を明らかにした。その結果、前頭前野→高次運動野→一次運動野(特に上肢領域)という経路が存在することがわかった。この成果は、東京都神経科学総合研究所との共同研究による。
Miyachi S, Lu X, Inoue S, Iwasaki T, Koike S, Nambu A, Takada M (2005) Organization of multisynaptic inputs from prefrontal cortex to primary motor cortex as revealed by retrograde transneuronal transport of rabies virus. J Neurosci 25: 2547-2556.