公開日 2006.07.03

脱感作したTRPV1のPMAによる再感作はPKCεによる800番目のセリン残基のリン酸化によっておこる

カテゴリ:研究報告
 岡崎統合バイオサイエンスセンター 細胞生理研究部門
 

概要

カプサイシン受容体TRPV1はPKCによってその502番目と800番目のセリン残基がリン酸化されることによって感作されることが明らかになっていますが、今回、リン酸化TRPV1を認識する抗体を作製して、TRPV1が正常状態でもリン酸化されていること、PKCの活性化によってリン酸化蛋白質量が増大することを確認しました。また、この抗体を用いて、TRPV1のリン酸化の程度と細胞でのPKCεの発現に相関がみられ、PKCの中でもPKCεによるリン酸化が中心的な役割を果たすことが明らかになりました。また、このリン酸化が細胞外Ca2+依存性の脱感作後の再感作にも関わっていることを見いだしました。作製した抗リン酸化TRPV1抗体はTRPV1の機能研究に広く用いることができるものと期待されます。

論文情報

Sravan Mandadi、富永知子、沼崎満子、村山奈美枝、斉藤尚亮、Patricia J Armati、Basil D Roufogalis、富永真琴:Increased sensitivity of desensitized TRPV1 by PMA occurs through PKC -mediated phosphorylation at S800. Pain; 106-116, 2006
Pain online publication 3⁄27