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周期的な両手協調リズム運動においては、同位相モードと反位相モードという2つの安定なモードがある。この2つのモードの安定性は等価ではなく、運動周波数の増加などにより反位相モードから同位相モードへの突然の変化がおきる(相転移現象、図1)。本研究はこうした運動パターンの突然の転移に関連する脳活動を、事象関連磁気共鳴画像法を用いて調べた。その結果、相転移現象に関連する領域は、前補足運動野、運動前野吻側、下頭頂葉といった、運動の計画に関与すると考えられている脳部位であった(図2)。一方、反位相モードや同位相モードの維持に関連する領域は固有補足運動野、運動前野尾側、一次運動野といった、運動の実行に関与する脳部位であった。また、相転移に関連する脳活動は右半球優位であった(図3)が、この偏在は、行動データにおいて相転移時に左手の運動が乱れる傾向があることと関係すると考えられ、両手協調運動において半球間の相互作用が非対称である可能性が示唆された。
Aramaki, Y., M. Honda, et al. (2006). "Neural correlates of the spontaneous phase transition during bimanual coordination." Cereb Cortex 16(9): 1338-48