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生理学研究所(せいりけん)・生体情報解析室の根本知己准教授が、今年4月に行われた文部科学省科学技術週間パネル展 —科学技術における「美」— 最新の成果を出展しました(その後、大阪などで展示されました)。この度、見学者からのアンケート等の結果により、他の受賞者の方と共に表彰されました。
「生きた脳の内側から神経細胞を覗う」
和気弘明、鍋倉淳一、根本知己 (自然科学研究機構・生理学研究所)
根本知己准教授のグループは、世界に先駆けて、生きた脳の深部を立体的に観察できる生体二光子レーザー顕微鏡を開発しました。これによって、脳の組織を傷めることなく、脳内部の神経細胞の立体画像を撮ることができます(次ページ・説明図1)。 この世界最高峰の科学技術を使い、脳深部の神経細胞の3次元立体撮影を行ったものが、今回の表彰作であるパネル「生きた脳の内側から神経細胞を覗う」です。
本写真は、大脳新皮質表面(左側)から深部(深さ700 um)にむかって(右側)の断層画像を撮影し、コンピュータで3次元再構築しました。緑色に光る神経細胞が大脳皮質の第V層から大脳表面へ向けて枝を伸ばしている様子が覗えます。このような大脳深部で生きた神経細胞の微小な形態を観察することは今までは不可能でした。 この身体の奥深くの微小な構造を生きたまま観察する技術は、糖尿病のインスリン分泌機構の解明や花粉症の研究など、医療や研究の分野で今後広く使われていくと考えられます。