公開日 2010.04.06

小泉 周 准教授、文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門) 受賞

カテゴリ:プレスリリース
 生理学研究所・広報展開推進室
 

概要

生理学研究所の小泉周(コイズミ・アマネ)准教授が、文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)を受賞いたしました。生理学研究所からの文部科学大臣表彰受賞は4年連続で、科学技術賞(理解増進部門)は初です。
平成22年度の科学技術賞は113件の受賞があり、そのうち理解増進部門は17件でした。

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小泉周准教授は、2007年10月より生理学研究所に着任。広報展開推進室の准教授として、医学生理学や生命科学の理解増進活動につとめてきました。それ以来2年半の間に、地元岡崎市や愛知県内の小中高等学校ののべ3000人を超える小中高校生に出前授業や講演、研究所見学などを通じて直接話しかけ、医学生理学の基礎や生命科学の不思議を「心と体の科学」として伝えてきました。国民一般に最新の成果をわかりやすくつたえる「せいりけんニュース」を創刊し無料配布するなど理解増進活動につとめてきました。
また昨年より生理研初の理科教材「マッスル・センサー」の開発を岡崎市教育委員会の協力をいただきながら行うなど、科学技術の理解増進活動に目覚ましい活躍をあげたことが評価されました。

参考:
文部科学省発表
平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について
(平成22年4月5日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1292309.htm

対象となった活動内容

最新の医学生理学に基づく心と体の科学の理解増進

業績

昨今、小中高校生や国民の心や体の問題が社会的に深刻化している。こうしたなか、国民の科学に対する意識は増しているが、その一方で、科学的な根拠がない「科学まがい」の言説がいまだにはびこっている。また、教育現場では、小中高校生の「理科離れ」が一段と進んでいるといわれる。
本活動は、最先端の若手研究者であり医師でもある小泉周が、「心」=脳科学、と、「体」=医学生理学について、正しい科学的知識に基づき、国民や小中高校生の理解をひろめるべく展開したものである。メディアへの情報提供はもとより、Webや講演会を介した双方向的な情報発信、さらに、科学絵本「せいりけんニュース」発刊・無料配布を行った。また、小中高校生を対象に「心と体の科学」の出前授業や独自の理科教材「マッスルセンサー」の開発に取り組んだ。
本活動により、国民一般、とりわけ小中高校生の医学生理学や脳科学に対する関心が高まり、所属する生理学研究所の見学依頼が急増、講演会も定期的に200名を超える聴衆を集める人気講座に発展するなどした。このように本活動は、幅広い人びとに対する最先端の医学生理学や脳科学についての理解増進に寄与している。

氏  名  小泉 周 (38歳)
現  職  自然科学研究機構 生理学研究所 広報展開推進室 准教授

(履歴)
1990年3月31日 私立麻布高校(東京) 卒業
1991年4月1日 慶應義塾大学医学部(東京) 入学
1997年3月31日 同上卒業、2002年には博士号(医学)取得
1997年4月1日 慶應義塾大学・助手 医学部生理学教室(金子章道教授=当時)
2002年10月1日より2007年9月30日 視覚生理学・神経科学研究のためハーバード大学医学部・マサチューセッツ総合病院に留学(リチャード・マスランド教授に師事)
※2003年4月1日 日本学術振興会・海外特別研究員に採用
2007年10月1日 自然科学研究機構生理学研究所 准教授(広報展開推進室)(現職)
2008年4月1日 総合研究大学院大学 生命科学研究科 准教授(兼任)(現職)
2008年5月1日 自然科学研究機構生理学研究所 准教授(機能協関研究部門)(現職)
2009年8月1日

文部科学省 研究振興局 学術調査官(-2010年7月31日)

 (研究)

研究業績一覧(Google Scholar)

PubMed