HOME >> 

磯田昌岐

プロフィール

 新潟県中蒲原郡亀田町の出身で、新潟県立新潟高等学校から新潟大学医学部医学科に進学した。学部生時代(1988-1994)は遺伝子実験施設に入り浸り、脳内で発現するコレシストキニン遺伝子のクローニングを行ったり、軟式庭球部で汗をかいたりして過ごした。卒業後は新潟大学脳研究所の神経内科学教室(当時辻省次先生が教授)に入局し、臨床神経学の基礎を学んだ(1994-1999)。Paroxysmal kinesigenic choreoathetosisという不思議な運動障害を呈した患者さんとの出会いがきっかけで、随意運動の脳内機構に興味をもった。時間をみつけては神経生理学の教科書や文献を読んだ。運動制御の仕組みに感動することを繰り返すうちに、自分自身の学問をしてみたいと考えるようになった。
 医師を廃業して基礎研究の道に進むことを決意した。脳の生理学を学ぶため東北大学大学院医学系研究科に進んだ。丹治順先生に師事し、行動の順序制御の神経機構について研究した。学位取得後1年間はポスドクとして研究を続けた後、米国衛生研究所に留学した。彦坂興秀先生に師事し、大脳皮質―大脳基底核ネットワークによる行動切替えの神経機構を研究した。帰国後は、理化学研究所脳科学総合研究センターで、対面する2頭の動物個体に対して適切に統御されたタスクを課すという独創的な実験システムの開発に着手した。この研究、すなわち自己と他者の認知的枠組みにおける高次脳機能のシステム的理解に関する研究は、沖縄科学技術大学院大学(代表研究者 2010-2012)と関西医科大学(准教授;2012-2016)においても継続し、現在の主要な研究テーマとなっている。
 日本酒をこよなく愛する。趣味は芸能鑑賞、特に宝塚歌劇、バレエ、ミュージカル。人形浄瑠璃にも少なからず興味をもつ。好きな言葉は「人生に無駄なし」「尺蠖の屈めるは伸びんがため」「
Where there is a will, there is a way」。

Selected publications

Yoshida K, Go Y, Kushima I, Toyoda A, Fujiyama A, Imai H, Saito N, Iriki A, Ozaki N & Isoda M (2016) Single-neuron and genetic correlates of autistic behavior in macaque. Science Advances 2: e1600558.

Yoshida K, Saito N, Iriki A & Isoda M (2012) Social error monitoring in macaque frontal cortex. Nature Neuroscience 15: 1307-1312.

Yoshida K, Saito N, Iriki A & Isoda M (2011) Representation of others’ action by neurons in monkey medial frontal cortex. Current Biology 21: 249-253.

Isoda M & Hikosaka O (2007) Switching from automatic to controlled action by monkey medial frontal cortex. Nature Neuroscience 10: 240-248.

Shima K, Isoda M, Mushiake H & Tanji J (2007) Categorization of behavioral sequences in the prefrontal cortex. Nature 445: 315-318.