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研究概要

社会的認知機能の生理学的理解

 認知行動発達機構研究部門では,社会的認知機能の脳内メカニズムを細胞レベルと ネットワークレベルで解明するため,霊長類動物を用いた新たな実験パラダイムの開発に 取り組んでいます。これまでに,互いに相手の行動情報(行為や報酬に関する情報)を モニターし,それを利用して意思決定を行っている2頭の対面するサルの複数脳領域から, 神経活動を記録・解析する方法論を確立しました。自己と他者の行動情報処理が,それぞれ に特化した神経路によって行われていることを示唆する興味深いデータが得られています。  

盲視の脳内メカニズム

上記の研究に加え,当部門では盲視の脳内メカニズムを解明する研究にも取り組んでいます。 盲視とは,一次視覚野(V1)の損傷後に,視覚的意識が喪失するにもかかわらず,障害視野 の指標に対して行動できる現象のことをいいます。これがどのような仕組みで生じている のかを明らかにするため、V1損傷サルを作出し,さまざまな電気生理・認知行動実験を行っています。