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4)細胞外環境変化に対する上皮バリア機能の応答機構の研究

 私たちの体内の環境は常に一定に保たれていますが、上皮が接する外界の環境は様々に変化します。飲み物としての水とコカコーラを例にあげると、電解質をほとんど含まない水の浸透圧はきわめて低いですが、砂糖を大量に含むコーラの浸透圧は、600mOsm/Lと血清よりはるかに高く、胃の上皮はこのような多様に変化する環境にさらされながら、体の内外を隔てるバリア機能を発揮して体の恒常性の維持に寄与しています。また、腎臓は血漿浸透圧の恒常性を維持するために尿の濃縮度を調節しており、その結果、尿細管や膀胱の上皮は日々様々な浸透圧環境に接しています。私たちのグループでは、外界の環境変化に応答してタイトジャンクションを介する受動的物質輸送が変化することを見出しており、このような調節が体の恒常性の維持に貢献していると考えています。その分子メカニズムをタイトジャンクション構成分子、細胞骨格のふるまいとシグナル伝達の観点から明らかにすべく、鋭意研究中です。