7T MRI 双方向連携研究

概要

脳機能イメージング等の飛躍的な進歩により、脳科学が従来の断片的観測から脳機能をトータルで見る機能的観測へと急速に移行している。我が国が世界最先端の研究を先導していくため、超高磁場(7 テスラ)MRI を保有する大学共同利用機関である生理学研究所が、国内外の研究機関とネットワークを形成することでMRI 研究の基盤を構築し、全国の大学等の利用に供すると共に、超高磁場MRI を駆使できる人材を養成する。

 

経緯

2012 年度補正予算で「超高磁場(7 テスラ)ヒト用磁気共鳴断層画像装置を用いた超高解像度脳情報画像化システム」が取り上げられ、2014 年度に本格的導入を開始した。2015 年度には共同利用実験の募集を開始した。7 テスラfMRI はこれまでの3 テスラの機種とは全くレベルの違う知見を得ることが可能となると期待され、その機能をフルに発揮するためには、全国の研究者の共同利用研究を推進していく必要がある。そこで、同機器の設置済みの研究機関(新潟大学脳研究所、岩手医科大学、脳情報通信融合研究センター(CiNet、情報通信研究機構と大阪大学に所属)、京都大学)と連携して、研究推進・技術構築・人材育成のためのネットワークを形成するために、機能強化経費事業「超高磁場磁気共鳴画像装置を用いた双方向型連携研究によるヒト高次脳機能の解明」(2016-2021 年度)を開始した。連携研究機関からの委員とそれ以外の機関の外部専門家を含む双方向型連携研究(7T MRI)推進委員会を設立して、事業計画の策定、安全運用指針の策定ならびに、生理研で実施される7T MRI を用いた実験計画の安全審査等を精力的に進めてきた。当委員会では,7テスラの磁超高磁場磁気共鳴装置を用いた研究だけでなく、3テスラの磁気共鳴装置を用いた研究についても安全性の観点から審査等を行っているため、その名称を双方向型連携研究(MRI)推進委員会に変更し、事業終了後も引き続きMRI 全般にわたる基礎研究・機器開発から臨床研究に至る双方向型連携研究を推進する。