MRI共同利用研究

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MRI 共同利用研究

磁気共鳴装置については「生体内部の非破壊三次元観察」と「生体活動に伴う形態及びエネルギー状態の連続観察(含む脳賦活検査)」というそれぞれ2 つの研究テーマを設定し、人間を対象とした研究については、心理生理学研究部門が主な対応部門として、共同利用に供している。同一の3テスラ装置を2台設置することにより、ヒトの実時間性社会的相互作用における神経活動を可視化するという世界的にみてもユニークな実験系を用意してある。3 テスラという高い静磁場により通常の装置(1.5 テスラ)に比較して2 倍の感度をもち、特に脳血流計測による脳賦活実験においては圧倒的に有利である。さらに、実験計画、画像データ収集ならびに画像統計処理にいたる一連の手法を体系的に整備してあり、単に画像撮影装置を共同利用するにとどまらない、質の高い研究を共同で遂行できる環境を整えて、研究者コミュニティのニーズに応えようとしている。
より微細な構造と機能を描出することを目的に、2012 年度補正予算によりヒト用超高磁場(7T)MRI の導入を措置した。2014 年4月には、米国NIH で超高磁場MRI の研究を長らく行ってきた福永雅喜博士を准教授に迎えて、装置の設置調整を進めて、2015 年度より運用を開始した。同時に、7テスラ以上の超高磁場MRI を保有する生理学研究所と国内4研究拠点の間で、基礎研究・機器開発から臨床画像研究に至る双方向型共同研究を推進するために、生理学研究所と各研究拠点の間で包括的連携協定を結び、測定方法、解析手法、応用の範囲、安全性の検証、安全運転体制などの面で各拠点共通の基盤技術を確保し、脳高次機能の研究や臨床応用への道を確立することを開始した(7T MRI双方向連携研究 に詳細を記載した)。また、7TMRI については特別な仕様を施してサルを用いた脳賦活実験をも遂行できるようにした点が他施設にない特色であり、ヒトと非ヒト霊長類の種間比較研究を展開した 研究成果/主幹比較(国際脳)にて記載 。