[archive] 研究会・国際学会

生理研国際コンファレンス

(2006.3.8-10実施)

総合研究大学院大学・生理学研究所 国際シンポジウム(第34回生理研コンファレンス)「感覚間統合と可塑性~ヒト高次脳機能への多角的アプローチ~」 は,2006年3月8‐10日の3日間に,自然科学研究機構・岡崎コンファレンスセンターにおいて開催された。異なる感覚間の統合を脳がいかに行っている か,は神経科学におけるきわめて重要な問題である。近年,脳血流を用いた機能画像法や電気活動の非侵襲的計測法の進歩は目覚しく,この問題を生きた人間に おいて観測・研究することが可能となった。本シンポジウムでは,感覚間統合と脳可塑性に焦点をあて,PET,fMRI,EEG,MEG,TMSあるいはそ れらの組み合わせにより多面的に探求を続けている研究者を招聘し,その交流を目指して企画された。最先端の研究を行なっている研究者(海外より13名,国 内より6名)に講演していただき,活発な討論が交わされた。打ち解けた雰囲気の中で,しかし真剣なディスカッションが行われた。最終的な参加者は総勢71 名(海外より16名,国内より55名)で,まとまりの良いシンポジウムになった。また,若手の研究者にとっても,最先端の研究成果に触れるとともに,新た な共同研究を立ち上げる良い場となった。
 

機能的MRI研究会

(2005, 2006, 2007, 2009年度実施)

1990年に発見されたblood oxygen level dependent (BOLD)効果を主な原理とする機能的MRIは近年著しく普及し,ヒトを含む霊長類の脳機能を非侵襲的に探る上で卓越した可能性をもつことが明らかと なってきた。その反面,いまだ手法自体の歴史が浅いため,適切な撮像方法や統計的解析法といった技術面のみならず,記録される信号変化のもつ生理学的意味 (即ち局所脳血流あるいは電気的活動との関係など)を理解する上でも検討すべき課題が山積している。このように萌芽的側面を有する機能的MRI手法を,技 術的ならびに生理学的な諸課題について活発な議論をおこなうとともに,情報交換の場を提供することを目的として開催し、機能的MRIの記録・解析における 技術的側面, BOLD効果などの生理学的側面に関連する研究成果の検討ならびに、統計数理的画像解析手法の知識・技能の共有化に努めた。 
 

社会神経科学研究会

ヒトの社会的心に関連する,既存の学問分野を超えた新しい視点での研究を行っている研究者が集まり,ディスカッションすることを通じて,日本におけるこの分野の研究の推進に貢献することを目的とする。ヒトの社会的こころに関する研究について継続的に議論できる機会を設けるため、ヒトの社会的心に関連する,既存の学問分野を超えた新しい視点での研究を行っている研究者による講演を実施し,日本におけるこの分野の研究を推進することを目指して、5年間に亘り研究会を実施してきた。毎回100 名を超える研究者が参加し,ポスター発表にも多く登録があり,ディスカッションもとても実りの多いものであった。