生理科学実験技術トレーニングコース
2022 年で33 回を迎える生理科学実験技術トレーニングコースは、生理学研究所をあげて、実際に第一線の研究に用いられている実験設備を実習に提供し,実験の専門家が直接教えるもので、国内の若手生理学研究者,神経科学者の間で広く浸透している。当部門においては、2000 年より脳機能画像解析入門(ヒト脳機能マッピングにおけるデータ解析入門)を担当している。脳機能画像解析の初級編と位置づけ、主に画像データの前処理および統計解析(個人解析・集団解析)の理論と実際について、機能的MRI データを教材とした講義と実習を行っている。これらを通して脳機能画像法のもつ可能性と落とし穴についてバランスのとれた理解を深められるようにしている。1 週間のコースに例年40 から50名程度の受講者があり、機能的MRI の基礎技能を習得するとともに、何度目かの受講になる「リピーター」もある一定の数が見られ,若手研究者にとって知己を増やす場としても活用されている。大学院生、若手スタッフにとっては「教えることにより学ぶ」側面があり、負担は大きいものの、教える側の教育・研究効果もまた大である。2020 年はコロナ禍のため中止のやむなきに至ったが、2021, 2022 年は完全ONLINE で実施した。