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Last update 30-sep-2011
1. Pythonの長所と短所
Pythonはopen sourceのスクリプト言語で、コンピュータのシステム管理から数値計算まで、広い領域で利用されています。Pythonはスクリプト言語ですが、配列、行列などの数値演算を比較的高速に行うことが出来ます。また多くの人により種々のライブラリが開発されているのも、大きな特徴です。
同様の言語としては、PerlやRubyがあります。Perlはシステム管理などによく用いられていますが、数値計算向きではありません。RubyはPythonよりも高速らしいですが、数値計算関連のライブラリはPythonほど多くはない様です。
長所
- open sourceで、無料で使用可能。
- スクリプト言語であるため、使用が手軽。
- Windows、Mac、Linuxで共通。
- スクリプト言語としては、計算速度が速い。
- 多くの人が開発に携わり、種々のライブラリがあります。
- 特に数値計算では、numpyとscipyといった利用価値の高いライブラリがあります。
- Matlab風のグラフを描くライブラリもあります(matplotlib)。
- C/C++、Fortranなどの言語との組み合わせが可能です。
- ウェブ上にいろいろな解説があります。
- Python Scientific Lecture Notes
短所
- 速度が速いとはいえ、C/C++やFortranで作製したプログラムには負けます。
- 他言語との組み合わせは、やはりそれほど簡単ではありません。
Versionの問題
- version 2系列とversion3系列が併存しています。
- 現在、2系列の最新版は2.7.2、3系列の最新版は3.2.2です。
- version 3系列には、version 2系列への後方互換性がありません。
- ライブラリの多くはversion 2系列で作製されたものです。
- したがって、version 3系列のpythonでは、ライブラリが使用出来ない場合があります。
- どちらの系列を使用するかは、利用するライブラリの移行状況に依ります。
- 数値計算で使用頻度が高いnumpy、scipyは、3系列に対応しています。
- 画像解析関係のOpenCV、VTK、ITKをPythonから使用する方法がありますが、これらはまだversion 3には対応していない様です。
- MacOSやLinuxでは、いろいろなサービスの陰でpythonが使われています。新たにpythonをインストールすると、前からあるpythonと干渉しあい、不具合を起こすことがあります。
- 特に利用するライブラリが決まっていない場合などは、3系列で始めてもよいかもしれません。
- Pythonの本体、ライブラリ類の作成にはCコンパイラが使われます。本体とライブラリは同じコンパイラでつくられていなくてはなりません。
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