メルマガハッシン!<オシロロジー Mail Magazine Vol.3>を発行しました。

「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解(オシロロジー)」

関連の皆様

大変お世話になっております。
オシロロジー広報・アウトリーチ委員会です。
夏至を迎え、日に日に夏の空気を感じる頃合いとなりましたが、
皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

計画班・公募班の皆様、
明日からの6月27-28日の第2回領域会議ではよろしくお願いします。

メルマガVol.3です。
さっそくですが、今号の目次です。


--◆オシロロジー Mail Magazine Vol.3目次◆--


【1】第2回領域会議(6月27-28日、札幌)のご案内(★注目★)
計画班・公募班の皆様へのお知らせです(前回に引き続き)。


2】国際的研究者派遣・招聘:H28年度前期分追加募集
計画班の皆様へのお知らせです。


3】2015年度国際的研究者派遣報告
2015年度国際共同研究加速基金対象者2名からの海外派遣報告です。


4】今後の行事予定
2016年度に予定されている行事について。


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【1】第2回領域会議(6月27-28日、札幌)のご案内(★注目★)

計画班・公募班の皆様へのお知らせです。

プログラムは当日紙媒体で配布させて頂きます。
詳細につきましてはオシロロジーHP会員ページの
領域会議プログラムと領域会議概要をご参照下さい。
http://oscillology.umin.ne.jp/member/

以下、オシロロジーHP会員ページ内と同様ですが開催概要です。

<第2回領域会議の開催概要>

■ 場所:シャトレーゼ ガトーキングダムサッポロ(http://www.gateauxkingdom.com/)
■ 日時:6月27日(月)13:00 ? 28日(火)16:30(終了予定)

※ 総括班会議:27日の10:00から開催
※ データベース委員会:27日の11:45から開催

■ 1日目(6月27日)の予定

13:00 開会の挨拶
13:10- 概括・注意事項(南部領域代表)
13:30- 公募班への説明(学術調査官臼井先生)
13:45- 公募班の研究紹介1
14:15- ポスターセッション&ワークショップ
18:00- 研究交流会

■ 2日目(6月28日)の予定

10:00- 公募班の研究紹介2
11:45- ランチョンセミナー
13:00- 公募班の研究紹介3 
15:00- 公募班の研究紹介4
16:30 閉会の挨拶
17:00 札幌駅行きシャトルバス発車


★公募班の研究紹介★

公募班員の方々にはご自分の研究を紹介していただく口演の時間を
お一人15分(質問、演者交代含む)でお願い致します。

■ 交通

札幌駅からホテルまでが遠いので、
ホテルが持つシャトルバスに加えて送迎バスを手配致します。
ホテルと札幌駅の間はバスで40分程度です。

1日目については、
総括班会議:9:00 札幌駅発 の送迎バス
データベース委員会:11:00 札幌駅発 のシャトルハ?ス
領域会議:12:00 札幌駅発 の送迎バス
をそれぞれご利用下さい。

バス移動を希望される方はこれらの時間に間に合うようにお越しください。
バス停は札幌駅北口です。

2日目終了後については17:00にホテル発の送迎バスを用意する予定です。

■ 参加費用

領域会議参加費:無料
宿泊費:各自負担
 シングル(9500 円)
 ダブル or ツイン(9000 円/人、シングル利用の場合は 14500 円)

研究交流会:有職者 5000 円・学生 2000 円
の予定です。

どうぞよろしくお願い致します。


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【2】国際的研究者派遣・招聘:H28年度前期分追加募集

前々回、前回のメルマガに続き、計画班の皆様へのお知らせです。
本領域は平成27年度-31年度の国際共同研究加速基金(国際活動支援斑)に採択されています。

国際的研究者派遣・招聘申請のH28年度前期分の追加募集を行います。
〆切:2016年6月27日(月)の総括班会議まで は受け付けております。

海外への渡航(派遣)もしくは海外からの研究者招聘に本基金の利用を希望する際には、
申請書に必要事項を記入の上、事務局までご送信ください。

 申請書:オシロロジーメンバーページ内の国際的研究者派遣・招聘申請書
 事務局:oscillology[at]nips.ac.jp

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【3】2015年度国際的研究者派遣報告

2015年度国際共同研究加速基金対象者2名からの海外派遣報告です。

■ 井内盛遠(所属:京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学)

領域班:A03
渡航目的:ミクロ及びマクロ記録を含めたwideband EEGについての意見
交換及び共同研究体制の確立を目指して
渡航期間:2016年3月6-14日
滞在国:イタリア、ドイツ
渡航先:カルロ・ベスタ神経学研究所(Fondazione Istituto Neurologico Carlo Besta)、フライブルク
活動内容報告:

はじめに
私は、国際加速基金の助成を受けて、平成28年3月6日-3月14日の旅程で
カルロ・ベスタ神経学研究所(Fondazione Istituto Neurologico Carlo Besta)
のMarco De Curtis先生の研究室を訪問、次いで、'2nd International Workshop
on High Frequency Oscillation'に出席しましたので、概要を報告致します。

概要
3月6日に関西国際空港を出発し、はじめの訪問先であるミラノへと向かいました。
到着の翌朝Marco先生がマイカーでホテルまで迎えに来られ研究室へと移動しました。
カルロ・ベスタ神経学研究所は大学・研究施設が立ち並ぶ地区にいくつかの施設が
点在しています。

基礎研究施設に到着し、生理学研究室を案内して頂きました。ここではin vitroの
研究を行っており、研究スタッフから、それぞれの研究内容を紹介してもらい、
その後、Marco先生に総括的な説明をして頂きました。

主に、動物実験によって、てんかん発作の起始・停止機構、てんかん発作による
脳組織への影響をテーマとした研究がされており、なかでも発作時にみられる
低周波数の局所フィールド電位と、興奮性及び抑制性ニューロン、細胞外カリウム
濃度の関連を調べた研究はとても興味深い内容でした。

2日目には池田昭夫先生が合流され、病院施設を見学しました。レトロな作りの
病院内に入り、てんかんユニットを見学し、敷地内にある動物用7T MRI、in vivo
の記録設備を見学しました。

池田先生の講演の後、双方の研究内容についての意見交換を行い、今後の研究協力
について討議しました。夕方からMarco先生の研究室と連携しているNiguarda病院
を訪問し、症例呈示を受け意見交換を行いました。ここでは、定位的脳波記録によ
る、てんかん外科手術を年間100例以上行っているとのことでした。

3月9日列車でドイツ南西部の都市フライブルクに移動し、3月10日から'2nd Inter-
national Workshop on High Frequency Oscillation'に参加しました。フライブルク
駅近くで当初開催予定とされていましたが、参加者が多くなりトラムに乗車すること
10分程のMesse駅前にあるETAGEが会場でした。

てんかん分野の高周波振動(HFO)に関わる主立った研究者達が一堂に会した
ワークショップで、てんかんに関わる病的HFOを中心として、定義、発生源、解析法、
臨床的意義など、その内容は多岐にわたり、HFO三昧の3日間で最新の知見を包括的
に確認することができました。

ポスターセッションも用意されており、我々の研究と関連する内容の研究者と意見
交換を行うことができました。加えて同行していた臨床神経学大学院生大封昌子先生
の発表がポスター賞のひとつに選ばれました。

まとめ
この度の海外渡航によって、てんかんに関連した低周波数の活動、HFOについての
理解が深まり、私たちが取り組んでいるヒトてんかん患者における広域周波数帯域
脳波解析の研究を進める上で非常に有用なものとなりました。

このような貴重な機会をご支援して頂きましたことに、深く感謝致します。


■ 小林勝哉(所属:京都大学大学院医学研究科臨床神経学)

領域班:A03
渡航目的:定位的深部脳波(SEEG)の修得とSEEGで記録されるヒト脳発
     振現象に関する共同研究の可能性についての意見交換
渡航期間:2016年1月4-17日
滞在国:米国
渡航先:Epilepsy Center, Cleveland Clinic

活動内容報告:
2016年1月4日から17日にかけて、米国オハイオ州クリーブランドにあるクリーブランド
クリニックてんかんセンター(Epilepsy Center, Cleveland Clinic)に出張させて
頂きましたので、その概要につきまして報告させて頂きます。

クリーブランドクリニックてんかんセンターは世界有数のてんかんセンターで、難治性
部分てんかんの術前評価・外科的治療をはじめ、包括的なてんかん診療・研究が行われて
いる施設です。

定位的深部脳波(stereoelectroencephalography:SEEG)は難治てんかん患者での新たな
脳活動計測方法で、近い将来本邦へも導入予定の手法です。このSEEGではてんかん外科
手術を考慮する患者で、10-15本までのワイヤー状の脳波電極を脳表から深部にまで
クイをさすように挿入するというもので、従来からの硬膜下電極で記録困難であった、
海馬、扁桃体、島皮質、弁蓋部からの脳活動記録が可能となります。

今回、1) SEEGの適応、手技、記録法、評価法などを修得するため、また2) SEEGで記録
されるヒト脳発振現象に関する共同研究の可能性をSEEGのleading physician scientists
と意見交換が主な目的でした。

クリーブランドクリニックてんかんセンターでは、年間50例以上のSEEG留置例があり、
渡航中2週間で5例のSEEG植え込み手術に立ち会い、手技を直に見学しました。従来から
の評価法である硬膜下電極と比較して、SEEGはドリルを用いて必要最低限の開頭術が
行われるため、侵襲性が低いこと、一方で脳への電極挿入部は目視できないため
電極挿入時は事前のプランニングが特に重要であることを実感しました。

SEEGは通常各患者1(?2)週間の脳波記録がされますが、病室での機器の設定や患者の
ケアを含めて包括的に見学できました。

SEEGで記録される律動性脳活動を含む、発作時および発作間欠期脳波を担当医・上級医
が判読するのに参画しました。

またSEEG留置患者での脳機能マッピングなど、局所およびネットワークとしての
正常・てんかん性脳活動の記録・検査に参加しました。

従来からの硬膜下電極は大脳皮質にsheet状を敷く方法で脳表大脳皮質の脳機能マッピング
に有用です。SEEGは脳表面から深部に電極間隔をあけて電極が挿入されるため、脳機能
マッピングに関する有用性は硬膜下電極に及ばないものの、dynamicな脳内ネットワーク、
律動性脳活動の進展の評価に有用であると認識しました。

クリーブランドクリニックてんかんセンターでは、週1回朝と毎日昼にそれぞれ1-2時間
SEEGの適応検討やSEEG留置患者での検査結果供覧・治療方針検討のカンファレンスが
行われております。それらのカンファレンスに出席し、その評価法について学びました。

SEEGは先述の通り本邦ではまだ導入されておりませんが、今後導入されればこれまで
記録しえなかった脳深部のてんかん性および正常脳活動を記録することが可能となり、
非常に脳神経領域の臨床および研究で有用で魅力的な手法です。そのSEEGで記録される
ヒト脳発振現象に関する共同研究の可能性について、SEEGのleading physician scientists
と意見交換を日々行いました。

今回のSEEGの修得とヒト脳発振現象に関する共同研究の可能性の意見交換のため、国際的
研究者派遣としてサポート頂きました新学術領域オシロロジーの皆様に深く御礼申し上げます。
今後新学術領域オシロロジーの活動発展とヒト脳発振現象に関する研究発展に少しでも
貢献できるよう努めます。

また今回の出張でSEEGに関して多大なご指導を頂いたクリーブランドクリニックてんかん
センターのImad M. Najm先生、Dileep R. Nair先生、Patrick Chauvel先生、Jorge Alvaro
Gonzalez-Martinez先生、Juan Bulacio先生に、この場をお借りして深謝致します。


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【4】今後の行事予定

今年度(2016年度)に予定されている行事です。

■ 第2回領域会議
(2016年6月27-28日、札幌ガトーキングダム(総括班会議は27日午前中の予定))

■ 包括脳全体集会
(2016年12月19-21日、学術情報センター(東京))

□「脳と心のメカニズム」ワークショップ
(2017年1月11-13日、ルスツリゾート(北海道))

皆様奮ってご参加の程、よろしくお願い致します。

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最後まで読んで頂いた皆様、誠にありがとうございました。

今後も月1回のメルマガで情報を発信させて頂ければと思います。
次号は2016/07/25 発行予定です。

次号からは、各班間のさらなる連携を目指して、
計画班研究代表の先生方、公募班の先生方の自己紹介を
連載させて頂きたいと考えております。

皆様引き続きよろしくお願い致します。

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文部科学省新学術領域研究(H27-31)
「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解」
Mail Magazine Vol.3 2016/06/26 発行(毎月25日発行)
発行・編集人:小林勝哉(広報・アウトリーチ委員会)・小野健太郎(総括班事務局)
京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター内
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
*本誌に関するご意見・お問い合わせは oscillology[at]nips.ac.jp までお寄せ下さい。

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