「第3回領域会議ハンズオンセミナー」成果報告

「第3回領域会議ハンズオンセミナー」成果報告

2017年1月7日 立命館大学茨木キャンパス

 平成29年1月7日、立命館大学大阪茨木キャンパス いばらきフューチャープラザにてオシロロジー2017年冬の領域会議・ハンズオンセミナー「やってみよう! 実データを用いたハンズオン」が開催された。

【参加者の概略】

 午前の部はA03班を中心に京都大学医学部神経内科におけるてんかん発作・脳機能解析の実際を測定現場のビデオ供覧と実際のデータを用いて行った。参加34人、聴講42人であった。午後の部はB02班が担当してPythonによるトランスファーエントロピーの計算と注意点を実習し、参加22人聴講44人であった。

 予想以上に希望者が多く、関心の高さがうかがわれた。会場でのアンケート結果を見ると、20-30代の若手が半数を占めた。専門分野が基礎医学、臨床医学、数理科学、脳科学それぞれほぼ同程度混じっており、理論から臨床までの異分野のまじりあいと融合という本領域の目指すものとうまくマッチしていたと考えられた。

 解析スキルの高い参加者も多く、午前の部であれば臨床の側のプレゼンターと、理論系参加者とが、実際のデータやツールを触りながら対話・フィードバックできる良い機会となった。午後の部では臨床研究者が新しい解析法を学ぶ傍らで、解析手法の限界や解釈など鋭い議論も交わされていた。

 

【参加者の声】

 Matlab、Pythonの基本、実際の使用方法について、実際のデータによる実習を交えてレクチャーした点が好評であった。アンケートにおける改善の希望でもあるように、内容に対し時間がやや不足気味であったため、今後はこのような対話の時間をより長く持てるとよいだろう。一方、進行が早すぎる・説明が足りないなどの声もあり、このようなハンズオンでは常に問題となるが、対象者をより明確にした開催を考慮してもよい。ただ、この規模の領域でかつ異分野の融合を目指すというわれわれの目的の点からは、あまり絞らず多様な参加者同士が、時間をかけて教えあう形のワークショップができるとよいかもしれない。また、個のハンズオンで紹介したデータ・解析手法やツールはこれで終わりではなく、今後データベースなどの形で共有発展させてゆけるよう尽力したい。