メルマガハッシン!<オシロロジー Mail Magazine Vol.15>を発行しました。

「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解(オシロロジー)」

関連の皆様

大変お世話になっております。

オシロロジー広報・アウトリーチ委員会です。

メルマガVol.15です。

前号、前前号に続き、発行が遅くなり大変申し訳ありませんでした。

さっそくですが、今号の目次です。

今号から、新企画として、「オシロロジーへの抱負」をテーマに、

班員の方々にご執筆いただいた原稿の連載を開始いたします。

今号の原稿ご担当は、新たに鳥取大学 神経内科の教授にご就任された花島律子先生です。

花島先生、お忙しいなか原稿ご執筆まことにありがとうございました。

==◆オシロロジー Mail Magazine Vol.15目次◆==

【1】オシロロジーへの抱負(★注目★)

【2】2016-2017年度事業実施報告 2016-2017年度に実施された事業について。

【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。

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【1】オシロロジーへの抱負(★注目★)

鳥取大学医学部脳神経内科学 花島律子

C03宇川班の研究分担者の花島です。

私たちの班は、経頭蓋磁気刺激や深部電極を用いてヒトの大脳および基底核の

オシレーションを検出し、その性状を分析することによりヒトの脳内ネットワーク機構を

探るとともに、オシレーションの変化と神経疾患の病態との関係を解明しようとしています。

さらには、外部から周期的な刺激を与えることで、このオシレーションの変化が

より検出されやすくならないか、オシレーションの異常が改善されることで

治療につなげられないか研究しています。

班の構成メンバーは神経内科医で、神経疾患のなかでも主にパーキンソン病や

ジストニア、脊髄小脳変性症などの神経変性疾患を対象にしています。

今まで、パーキンソン病やジストニアなどの基底核疾患の病態生理の説明は、

基底核の障害により神経活動の抑制と促通のバランスが異常になることにより

運動野の興奮性に変化がもたらされ、これにより筋固縮や異常筋収縮などの症状が

生じるという仮説が主でした。

しかし、この仮説のみでは、パーキンソン病は大脳皮質が抑制されているのに

なぜ震えるのか、なぜ力が抜けないのかなど説明がつかないことがあり、

また脳深部刺激療法の機序を考える上でも不十分でした。

基底核のオシレーション異常の存在が知らされ、別の観点で機序が考えられるようになりました。

私たちは、このオシレーション変化がどのような基底核―大脳ネットワークの異常でおきているのか、

神経細胞の発火活動との関係などオシレーションの発生機序を探りたいとおもっています。

更には、これまで発生機序が明らかではなかったパーキンソン病での情動制御障害との関係なども

探りたいと思っています。

オシレーションと神経細胞の発火活動との関係については、

A02 の南部先生の班でのサルの基底核での神経活動記録との対応を加えることで

より明らかになると期待しております。

また、情動制御障害との関係については、以前よりB01の 森田先生の班で、

報酬課題中の皮質―基底核の階層的な活動とドーパミンの関係を数理モデルでシミュレーションされており、

実際のヒトでのLFP記録との対応を共同研究することにより

情動系とオシレーションの関係が明らかになるのではないかと楽しみにしております。

まだまだ研究すべき課題が広がるヒトの脳内のオシレーションですが、

オシロロジーとして様々な研究分野の研究者と一緒に研究できる機会を持つことができて

大変感謝しています。

リズム活動の謎を少しでも解き明かしたいと思います。

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【2】2017年度事業実施報告

2017年度に新たに実施された事業です。

□国際シンポジウム

2017年6月16日から18日にかけて、

東京大学本郷キャンパスにおいて国際シンポジウムが開催されました。

6月16日の公開講演会には133人、6月17-19日の国際シンポジウムには103人の方に

ご出席いただき、盛会に行われました。ご参加ありがとうございました。

□A03-A04-B03班共同研究

2017年5月17日に、A03班(池田・松本・長峯・下竹・小林・武山)、

A04班(松橋)、B03班(津田・行木)が京都大学において、

「てんかん発作起始時脳波の数理モデル化に関して」の研究会を行いました。

A03班が提供した、てんかん患者の発作時脳波データをB03班にて

数理解析(パワースペクトル解析およびカオス時系列解析)した結果について、

B03班(津田・行木)から提示があり、内容に関して活発な討議が行われました。

A03班(池田)からは、てんかん病態の実証データ解析の概要・展望について提示があり、

今後の取り組み内容の検討を行いました。

□A03-B04班共同研究

2017年5月24日に、A03班(松本・下竹・武山)とB04班(佐藤)が

京都大学医学部附属病院において共同研究の打合せを行いました。

A03班とB04班が共同研究として進めている、皮質脳波を用いた

言語における意味情報のデコーディングについて、データの確認と

解析手法について議論を行いました。

□A03-A04班共同研究

2017年6月7日に、A03班(長峯・臼井)とA04班(飛松)が

札幌医科大学において共同研究の打合せを行いました。

脳外科覚醒下手術、慢性硬膜下電極留置中の皮質機能検索中において、

視覚認知系刺激課題が適用可能かについて、手術担当者側と刺激提示側とでの意見交換を行いました。

複数電極での振動現象の解析は可能であるが、

電極留置部位ごとの最適課題をどのように抽出するかを、今後検討して行くこととなりました。

□A04-C02班共同研究

2017年5月31日に、A04班(飛松、松橋、麻生、小池、緒方、上原)、C02班(高松)が

九州大学において共同研究の打ち合わせを行いました。

A04班の研究成果報告および各研究に関してディスカッションを行いました。

また、A04班内の共同研究の具体案について検討し、

C02班と班外との共同研究について打ち合わせを行ないました。

皆様、共同研究のための打ち合わせ、セミナー、会議等開催に際しては、

オシロロジーHP内会員ページの「書類(申請・報告)」

にある書類をご提出下さい。

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【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。

今年度(2017年度)に予定されている行事です。

□ 2017年度第1回領域会議

(2017年8月10日(木)、ルスツリゾートニューウェルシティ湯河原(熱海))

2017年度第1回領域会議を下記日程で開催することになりました。

終日、公募班成果発表を行う予定ではございますが、

詳細が決定次第、改めてご連絡させて頂きます。

ご予定の程、宜しくお願い申し上げます。

参加登録は、オシロロジーホームページ内の、以下のページにて行う予定です。

http://oscillology.umin.ne.jp/apply/view/index.php?id=8

パスワードが必要ですが、準備ができましたら改めてアナウンスさせていただきます。

日程:2017年8月10日(木)

場所:ニューウェルシティ湯河原(〒413-0001 静岡県熱海市泉107)

HP: http://www.welcity-yugawara.co.jp

電話:0465-63-3701

□ オシロロジー後援

「第5回教育研修プログラム 脳磁図What's new! MNEとオシレーション」

8月26日(土)・27日(日)にオシロロジー後援

「第5回教育研修プログラム 脳磁図What's new! MNEとオシレーション」が、

九州大学病院で開催されます。

脳磁図(MEG)の臨床応用を盛んにするために、2013年から毎年1回若手研究者(15名程度)を対象にして、

講義とハンズオンセミナーを開催しています。

今年は、九州大学(A04班・飛松)が担当で、「脳磁図 What's new. MNEとオシレーション」を

メインテーマに教育を行う予定です。

詳細はフライヤーをご覧下さい。JCCM第5回教育研修プログラム.pdf

主催:日本臨床脳磁図コンソーシアム http://www.clinical-meg.org/index.html

□ 次世代脳 冬のシンポジウム

12月20日(水)- 22日(金)一橋大学一橋講堂

(〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2)

12月20日の午前には、オシロロジーを含む4領域合同若手シンポジウムが開催予定です。

ご都合のつく方はぜひご参加ください。

□ 2017年度第2回領域会議

12月23日(土・祝)学術総合センター

(〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2)

計画班を中心とした成果発表を行う予定です。

班員の方々は参加必須ということでよろしくお願い申し上げます。

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最後まで読んで頂いた皆様、誠にありがとうございました。

今後も月1回のメルマガで情報を発信させて頂ければと思います。

次号は2017/7/25 発行予定です。今回は発行が遅くなり大変申し訳ありませんでした。

皆様、本年も引き続きよろしくお願い致します。

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文部科学省新学術領域研究(H27-31)

「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解」

Mail Magazine Vol.15 2017/6/30 発行(毎月25日発行)

発行・編集人:武山博文(広報・アウトリーチ委員会)

京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター内

〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54

*本誌に関するご意見・お問い合わせは oscillology[at]nips.ac.jp までお寄せ下さい。

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