メルマガハッシン!<オシロロジー Mail Magazine Vol.16>を発行しました。

「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解(オシロロジー)」

関連の皆様

大変お世話になっております。

オシロロジー広報・アウトリーチ委員会です。

メルマガVol.16です。

さっそくですが、今号の目次です。

前号から、新企画として、班員の方々にご執筆いただいた原稿の

連載を開始しております。

今号の原稿ご担当は、計画班C02班 北海道大学 歯学部 前澤仁志先生です。

ドイツのゲッティンゲン大学へのご渡航

(脳電気刺激法の手技修得と新規パラメタを用いた脳電気刺激法に関する意見交換のため)

に関してご執筆いただきました。

前澤先生、お忙しいなか原稿ご執筆まことにありがとうございました。

==◆オシロロジー Mail Magazine Vol.16目次◆==

【1】前澤先生・海外活動報告(★注目★)

【2】2016-2017年度事業実施報告 2016-2017年度に実施された事業について。

【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。

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【1】前澤先生・海外活動報告(★注目★)

領域班:C02

渡航目的:脳電気刺激法の手技修得と新規パラメタを用いた脳電気刺激法に関する意見交換

渡航期間:2017年1月10日から3月27日

滞在国:ドイツ連邦共和国

渡航先:Department of Clinical Neurophysiology, University of Göttingen

活動内容報告:

2017年1月10日から3月27日にかけてドイツ連邦共和国ニーダーザクセン州

ゲッティンゲン郡にあるゲッティンゲン大学臨床神経生理学講座 

(Department of Clinical Neurophysiology, University of Göttingen)

に出張させて頂きましたので、その概要について報告させて頂きます。

ゲッティンゲンは人口12万人程度の学術都市として有名な地域です。

University of Göttingen はこれまでに40人程度のノーベル賞受賞者を輩出しており、

Max Planck Instituteとともにゲッティンゲンにおける重要な研究拠点となっています。

Walter Paulus教授が主催するUniversity of Göttingen の

Department of Clinical Neurophysiologyは、

経頭蓋直流電気刺激法(transcranial Direct Current Stimulation; tDCS)、

経頭蓋交流電気刺激法(transcranial Alternating Current Stimulation; tACS)

などの経頭蓋電気刺激法(transcranial Current Stimulation; tCS)を

確立したことで有名な研究室です。

Paulus教授の研究室にはさまざまな国から留学生が在籍しており、

ドイツ人がいない時期もあったというほど国際色が豊かでした。

私が滞在中には、日本から代田悠一郎先生(現東京大学神経内科)が

留学されておりいろいろとお世話して頂きました。

研究室では電極の置き方や配線等に関する基本的手技から

新たに開発している電気刺激法に至るまで

tCSに関するさまざまな事項を学ぶことが出来ました。

特に、特定の周波数帯域の交流電気刺激を組み合わせた電気刺激法に関する研究は興味深く、

Paulus教授との意見交換を通して今後の研究につながるアイデアを頂くことが出来ました。

Paulus教授は大変気さくな先生でご多忙にもかかわらず

貴重な時間を割いてワンツーマンでご指導頂けたことは大変貴重な経験でした。

2月20日から22日には、教室が主催する

14th Practical Course in "Transcranial magnetic and electrical stimulation"に

参加させて頂き、tCSに関する重要事項を効率よく学ぶことが出来ました。

2月2日から3日にかけては代田先生とともに

University of Düsseldorf のInstitute of Clinical Neuroscience and Medical Psychology and

Centre for Movement Disorders and Neuromodulationを訪問しました。

カンファレンスにて代田先生がTMS研究に関して、

私が脳磁図(Magnetoencephalography; MEG)研究に関して講演を行った後、

Markus Butz博士のMEG計測に参加させて頂きました。

計測では、tACS刺激中に MEGの計測を行い、MEG反応からtACS刺激によるアーチファクト

を除去するという手法に関して学びました。

相性が悪そうなMEGとtACSという組み合わせですが、tACSによるアーチファクトを

MEG信号から除去できるのであれば、tACS中に皮質反応の特定の周波数が

どの程度引き込まれるかなどの解析に有用だと感じました。

ただ、tACSによるアーチファクトがどの程度除去できているかに関しては

今後十分な検証が必要だと思います。

さらに、3月20日から23日にかけてDortmundにある

Leibniz Research Center for Working Environment and Human Factors の

Department of Psychology and Neurosciences(Michael Nitsche教授)を訪問しました。

研究所は、ボルシア・ドルトムントの本拠地であるサッカースタジアム

(ジグナル・イドゥナ・パルク)近くに位置しています。

この研究室は、University of GöttingenでPaulus教授とともにtCSを確立したNitsche教授が

2015年に立ち上げた比較的新しいラボです。

研究室ではtDCSのさまざまなパラメタ(刺激強度、刺激時間等)が

脳機能に与える影響に関して詳細に検討されていました。

また、研究所にはベッドが完備された睡眠検査用のシールド室や

部屋換気用排気ダクトを備えた嗅覚検査室が設置されており、

睡眠下や嗅覚刺激下でtCSを行った研究も行われており興味深かったです。

まとめ

脳電気刺激法のパイオニアであるPaulus教授とNitsche教授の研究室訪問により

tCSに関する最先端の研究や現在の課題そして今後の展開等を含め

多くのことを学ぶことが出来ました。

また、Butz先生の研究室で行われていたtCS とMEGとの同時計測など

脳刺激法と脳機能計測法との併用も大変興味深い試みだと感じました。

今後は学んだことを生かしつつオシロロジー研究の発展に

少しでも貢献できるよう努めたいと思います。

最後になりますが、このような貴重な機会を与えて頂きました

南部篤教授、美馬達哉教授ならびに新学術領域オシロロジー運営に携わる諸先生方に

深く御礼申し上げます。

また、今回の出張で脳刺激法等に関してご指導を頂いたWalter Paulus先生、

Andrea Antal先生(University of Göttingen)、

Michael Nitsche先生(Leibniz Research Center for Working Environment and Human Factors)、

Markus Butz先生(University of Düsseldorf)

にこの場をお借りしまして深謝致します。

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【2】2017年度事業実施報告

2017年度に新たに実施された事業です。

□B02-B03-C01班共同研究

2017年6月26日に、B02班(青柳)、B03班(伊藤・他1名)、C01班(坂本)、

A05班(水原)による共同研究に向けてのセミナーが京都大学において行われました。

C01班坂本が「サル前頭前野・運動前野のLFP振動の起源と性質」と題した講演をした後、

LFPデータの解析方法について議論を行いました。

皆様、共同研究のための打ち合わせ、セミナー、会議等開催に際しては、

オシロロジーHP内会員ページの「書類(申請・報告)」

にある書類をご提出下さい。

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【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。

今年度(2017年度)に予定されている行事です。

□ 2017年度第1回領域会議

2017年度第1回領域会議を下記日程で開催予定です。

会議の開催概要(PDF)を会員ページ内に掲載しましたので、

領域関係者の方々はログインして確認してください。

参加登録締め切りを7月31日(月曜)まで延長いたしました。

まだ登録をお済みでない方は、7月31日までに参加登録をお願いします。

2017年度第1回領域会議(2017年8月10日)(公募班成果発表会)

日程:2017年8月10日(木)

 受付時間 9:30~ 

 開始時間 10:00~

 情報交換会 20:00~

場所:ニューウェルシティ湯河原 〒413-0001 静岡県熱海市泉107

HP: http://www.welcity-yugawara.co.jp

電話:0465-63-3701

なお、前日の8/9(水)には2017年度第2回総括班会議を行います。

2017年度第2回総括班会議

日程:8月9日(水)16:00-18:00 

場所:ニューウェルシティ湯河原

□ オシロロジー後援「第5回教育研修プログラム 脳磁図What's new! MNEとオシレーション」

8月26日(土)・27日(日)に

オシロロジー後援「第5回教育研修プログラム 脳磁図What's new! MNEとオシレーション」

が、九州大学病院で開催されます。

脳磁図(MEG)の臨床応用を盛んにするために、

2013年から毎年1回若手研究者(15名程度)を対象にして、

講義とハンズオンセミナーを開催しています。

今年は、九州大学(A04班・飛松)が担当で、

「脳磁図 What's new. MNEとオシレーション」をメインテーマに教育を行う予定です。

詳細はフライヤーをご覧下さい。JCCM第5回教育研修プログラム.pdf

主催:日本臨床脳磁図コンソーシアム http://www.clinical-meg.org/index.html

□ 次世代脳 冬のシンポジウム

12月20日(水)- 22日(金)一橋大学一橋講堂

(〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2)

12月20日の午前には、オシロロジーを含む4領域合同若手シンポジウムが開催予定です。

ご都合のつく方はぜひご参加ください。

□ 2017年度第2回領域会議

12月23日(土・祝)学術総合センター

(〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2)

計画班を中心とした成果発表を行う予定です。

班員の方々は参加必須ということでよろしくお願い申し上げます。

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最後まで読んで頂いた皆様、誠にありがとうございました。

今後も月1回のメルマガで情報を発信させて頂ければと思います。

次号は2017/8/25 発行予定です。

皆様、本年も引き続きよろしくお願い致します。

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文部科学省新学術領域研究(H27-31)

「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解」

Mail Magazine Vol.16 2017/7/25 発行(毎月25日発行)

発行・編集人:武山博文(広報・アウトリーチ委員会)

京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター内

〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54

*本誌に関するご意見・お問い合わせは oscillology[at]nips.ac.jp までお寄せ下さい。

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