「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解(オシロロジー)」
関連の皆様
大変お世話になっております。
オシロロジー広報・アウトリーチ委員会です。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
メルマガVol.23です。
さっそくですが、今号の目次です。
今年度から、新企画として、班員の方々にご執筆いただいた原稿の連載を開始しております。
今号の原稿ご担当は、A03班の中谷 光良 先生です。
中谷先生、お忙しいなか原稿ご執筆まことにありがとうございました。
==◆オシロロジー Mail Magazine Vol.23目次◆==
【1】中谷光良先生・海外出張報告(★注目★)
【2】2017年度事業実施報告 2017年度に実施された事業について。
【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。
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【1】中谷光良先生・海外出張報告(★注目★)
領域班:A03班
渡航目的:最新の解析手法の取得
渡航期間:2017/01/22-26
滞在先:マルセイユ大学神経科学研究所
[Aix Marseille University (AMU), Institute de Neuroscience des Systems]
国:フランス
活動報告:
この度、国際共同研究加速基金を利用して、2018年1月22日より1週間、
フランス、マルセイユ大学神経科学研究所を訪問させていただきましたので
報告させていただきます。
AMUではChristphe Bernard教授らの主催する基礎研究班、
Fabrice Bartolomei/Christian Benar教授らの主催する臨床研究班、
およびViktor Jirsa教授らが主催する数理解析班がそれぞれ協力して研究を行なっており、
さながら新学術領域オシロロジーにおける異分野協力体勢の縮図を
1施設で体現しているような印象を受けました。
Bernard教授の研究室では、海馬における記憶形成をメインテーマとし、
てんかんおよびアルツハイマー型認知症などの動物モデルを使った研究を行っており、
high-density silicon probeを用いた慢性てんかん動物モデルの脳波記録や
optogenetic methodを用いた学習・記憶行動実験の概要などを見学させていただきました。
加えて、実際のてんかんラットモデルの発作時脳波解析も行わせていただき、
我々の着目している低周波帯域活動を含めた解析結果ににつき
有意義な議論を行うことができました。
また、Bartolomei教授らの臨床解析班では、実際にSEEG(steretactic EEG)を施行された
患者における発作誘発検査などを見学させていただきました。
彼らは、とりわけseizure propagation netoworkというものに着目しており、
その中でもhippocampus-thalamus、thalamus-neocortexの関係性が重要であるとの
考え(Fabrice Bartolomei et al., 2017)から、afterdischargeが出現した際は
thalamusへの追加刺激を行い、その反応性を検証しておりました。
Benar教授らのグループでは、EEG/MEG同時記録による焦点同定の可能性や、
彼らの使用する半自動脳波解析ソフト"Anywave"
(Colombet B et al., 2015, http://meg.univ-amu.fr/wiki/AnyWave)
を用いた脳波解析などの指導を受けました。
最終日には、自分の研究内容である、
"てんかん焦点/非焦点における皮質電気刺激によるてんかん性放電および高周波帯域活動の変容"
および"てんかん周術期における発作時DC電位/HFOの臨床的有用性"につき、
発表をさせていただき、それぞれの研究班から様々な角度からの貴重なご意見をいただき、
大変有意義なdiscussionをすることができました。
1施設内で隔てなく、異分野の臨床家・研究者が議論を活発に行なっている様子を
垣間見ることができ、とても感銘をうけ大変貴重な経験をさせていただきました。
最後にはなりますが、このような大変貴重な機会を大学院生である自分にも与えてくださった、
美馬達哉教授ならびにオシロロジー関係者の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
中谷 光良
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【2】2017年度事業実施報告
2017年度に新たに実施された事業です。
今回は、新たな報告はありませんでした。
皆様、共同研究のための打ち合わせ、セミナー、会議等開催に際しては、
オシロロジーHP内会員ページの「書類(申請・報告)」
にある書類をご提出下さい。
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【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。
□ 「第26回 脳の世紀シンポジウム」
特定非営利活動法人 (NPO) 「脳の世紀推進会議」主催のシンポジウムが開催されます。
興味のある先生方は是非ご参加ください。
「第26回 脳の世紀シンポジウム」
テーマ: 「AIと脳」
主催: NPO法人脳の世紀推進会議
共催: 公益財団法人 ブレインサイエンス振興財団 /
国立研究開発法人 理化学研究所脳科学総合研究センター
日時: 2018年9月12日(水) 開場 9:40 開演 10:10 終演 15:55
会場: 有楽町朝日ホール (東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F)
定員: 700名
参加費: 入場無料・要事前申込
特別講演者: 瀬名 秀明 (作家)
※参加申込の受付は6月~7月頃開始予定です。
URL:http://www.braincentury.org/index.php?page=brainsympo_index
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最後まで読んで頂いた皆様、誠にありがとうございました。
今後も月1回のメルマガで情報を発信させて頂ければと思います。
次号は2018/3/25 発行予定です。
皆様、本年も引き続きよろしくお願い致します。
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文部科学省新学術領域研究(H27-31)
「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解」
Mail Magazine Vol.23 2018/2/25 発行(毎月25日発行)
発行・編集人:武山博文(広報・アウトリーチ委員会)
京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター内
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
*本誌に関するご意見・お問い合わせは oscillology[at]nips.ac.jp までお寄せ下さい。
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