「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解(オシロロジー)」
関連の皆様
大変お世話になっております。
オシロロジー広報・アウトリーチ委員会です。
メルマガVol.24です。
さっそくですが、今号の目次です。
今年度から、新企画として、班員の方々にご執筆いただいた原稿の
連載を開始しております。
今号の原稿ご担当は、A04班の中薗 寿人 先生です。
中薗先生、お忙しいなか原稿ご執筆まことにありがとうございました。
==◆オシロロジー Mail Magazine Vol.24目次◆==
【1】中薗寿人先生・海外出張報告(★注目★)
【2】2017年度事業実施報告 2017年度に実施された事業について。
【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。
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【1】中薗寿人先生・海外出張報告(★注目★)
領域班:A04班
渡航目的:経頭蓋電気刺激に関する知見と技術の習得、
今後の課題と展望についての意見交換
渡航期間:2018年2月1日から3月1日
滞在国:ドイツ
渡航先:Department of Psychology and Neurosciences,
Leibniz Research Center for Working Environment and Human Factors
活動報告:
国際共同研究加速基金を利用して、
2018年2月1日から1か月間、ドイツのドルトムントにある
Leibniz Research Center for Working Environment and Human Factors
(ドイツ名:Leibniz Institut für Arbeitsforschung an der TU Dortmund; IfADo)
のDepartment of Psychology and Neurosciencesに
訪問させて頂きましたので、ご報告致します。
IfADoの心理学と神経科学講座は、2015年にMichael Nitsche教授が
立ち上げられた比較的新しい研究室です。Nitsche教授は、
ゲッティンゲン大学のWalter Paulus教授とともに
2000年に経頭蓋直流電気刺激(transcranial Direct Current Stimulation; tDCS)
について報告されてから、tDCSの発展に大きく貢献されてきました。
これまで、tDCSは基礎的研究から臨床応用まで幅広い分野で
その介入効果が報告されてきました。
一方で、効果の作用機序にはまだ不明な点があり、
最適な刺激手法も完全には確立されていません。
そのような背景から、Nitsche教授の研究室では
tDCSの効果的な刺激方法について精力的に検討されていました。
具体的には、tDCSの刺激強度や刺激時間といった刺激条件の影響を
詳細かつ体系的に検討されていました。
そして、これらの刺激条件とtDCSの効果の間には単純な線形関係ではなく、
より複雑な相互作用があることを学びました。
また、tDCSの可塑的効果に対する薬理学的な検討として
長期投与の影響に注目しており、SSRIの長期投与がanode tDCSの促通効果を増強し、
cathode tDCSの抑制効果を促通効果に変化させることを知り
大変興味深く感じました。
その他、tDCSの可塑的効果に対するchronotype(朝型・夜型など)、
カフェイン、老化や睡眠の影響、ワーキングメモリーなど
認知機能や運動学習などに対する効果についても検討が始まっており、
想像以上に多角的な視点からアプローチを進めていることにも驚きました。
tDCSの効果は、anodeが促通効果、cathodeが抑制効果という
一見理解しやすいものですが、わずかな刺激条件の違いや様々な要因によって
効果が変化する可能性があり、その作用機序が複雑であることを改めて感じました。
私は、これまで経頭蓋交流電気刺激(transcranial Alternating Current Stimulation; tACS)の
研究を行ってきましたが、こちらの研究室でもtACSを用いた新たな実験が始まっており、
有意義な意見交換と今後の研究につながる貴重なアドバイスを頂きました。
また、経頭蓋電気刺激以外にも、Miya Kato Rand先生は、
手の運動制御における目と手の異なる感覚モダリティーの協調と統合に関して
ご研究をされていました。単純なリーチ動作でも、
視覚情報と固有感覚情報のミスマッチを利用することで、
様々な要因が運動制御に影響することが分かり、大変興味深い内容でした。
今回の滞在を通して、経頭蓋電気刺激や運動制御に関する
最先端の知見と技術を学ぶことができ、今後の課題と展望についても
整理する機会となりました。
また、自身の研究を進める上でも非常に有意義なものとなり、
この経験を活かしてオシロロジ―の発展に少しでも寄与できるよう努めたいと思います。
末筆ながら、このような貴重な機会を与えて頂きました南部篤教授、
美馬達哉教授ならびにオシロロジ―関係者の皆様、
そして飛松省三教授に深く感謝致します。
また、この度滞在を受け入れ、ご多忙中にも関わらずご指導頂きました
Michael Nitsche先生と、Min-Fang Kuo先生、Miya Kato Rand先生、
そして研究員の諸先生方にこの場をお借りして深く感謝致します。
誠にありがとございました。
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【2】2017年度事業実施報告
2017年度に新たに実施された事業です。
今回は、新たな報告はありませんでした。
皆様、共同研究のための打ち合わせ、セミナー、会議等開催に際しては、
オシロロジーHP内会員ページの「書類(申請・報告)」
にある書類をご提出下さい。
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【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。
□ 「第26回 脳の世紀シンポジウム」
特定非営利活動法人 (NPO) 「脳の世紀推進会議」主催のシンポジウムが開催されます。
興味のある先生方は是非ご参加ください。
「第26回 脳の世紀シンポジウム」
テーマ: 「AIと脳」
主催: NPO法人脳の世紀推進会議
共催: 公益財団法人 ブレインサイエンス振興財団 /
国立研究開発法人 理化学研究所脳科学総合研究センター
日時: 2018年9月12日(水) 開場 9:40 開演 10:10 終演 15:55
会場: 有楽町朝日ホール (東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F)
定員: 700名
参加費: 入場無料・要事前申込
特別講演者: 瀬名 秀明 (作家)
※参加申込の受付は6月~7月頃開始予定です。
URL:http://www.braincentury.org/index.php?page=brainsympo_index
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最後まで読んで頂いた皆様、誠にありがとうございました。
今後も月1回のメルマガで情報を発信させて頂ければと思います。
次号は2018/4/25 発行予定です。
皆様、本年も引き続きよろしくお願い致します。
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文部科学省新学術領域研究(H27-31)
「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解」
Mail Magazine Vol.24 2018/3/26 発行(毎月25日発行)
発行・編集人:武山博文(広報・アウトリーチ委員会)
京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター内
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
*本誌に関するご意見・お問い合わせは oscillology[at]nips.ac.jp までお寄せ下さい。
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