メルマガハッシン!<オシロロジー Mail Magazine Vol.45>を発行しました。

「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解(オシロロジー)」 関連の皆様

大変お世話になっております。 オシロロジー広報・アウトリーチ委員会です。

メルマガVol.45です。

さっそくですが、今号の目次です。

今号より、特集として、各計画班代表より「5年間を振り返っての総括」のテーマで

原稿を執筆いただくこととなりました。

今号は、B02班の北野勝則先生に原稿をご執筆いただきました。

北野先生、お忙しいなか原稿ご執筆まことにありがとうございました。

==◆オシロロジー Mail Magazine Vol.45目次◆==

【1】北野勝則先生(B02班):「5年間を振り返っての総括」(★注目★)

【2】2019年度事業実施報告 2019年度に実施された事業について。

【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。

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【1】 北野勝則先生(B02班):「5年間を振り返っての総括」(★注目★)

「5年間を振り返っての総括」 B02班 北野勝則

以前から正常時とパーキンソン病時の大脳基底核の活動パターンの違いや

脳深部刺激の効果や機序、そしてそれらと密接に関係するであろう

大脳基底核の情報処理メカニズムに関心がありましたので、

この領域の目標である正常な機能と疾患時の機能不全の関係の理解は、

私個人的にも興味をもっていたテーマでした。

この新学術領域に参加させて頂いて、パーキンソン病だけでなく、

てんかん患者のデータを解析する機会や、何よりも、

臨床の現場に立たれている先生方と交流する機会を得られたことなど、

これまでにない多くの貴重な経験を得ることができました。

ありがとうございました。

我々のグループの課題は、「脳領域間の機能的ネットワークの推定」でした。

脳機能が神経ネットワークの働きにより実現されるとすれば、

ネットワーク内の情報伝達の理解は脳機能メカニズムの理解に繋がりますし、

様々な脳疾患において、その情報伝達が正常時と異なることが示唆されていますので、

病態の理解や診断にも役立つと期待できます。機能的ネットワークを導出するために、

これまでに様々な解析手法が提案されています。

しかし、「グランドトゥルース」を知ることができない計測データに

これらの手法を適用して得られた結果が、

正しい機能的結合を表しているかが問題となってきます。そこで我々のグループでは、

シミュレーションデータや外部刺激を用いた実験データなど、

正しい結果が定められる・予想できる設定のデータに適用し、

結果の検証を行うことで、解析手法の妥当性を評価してきました。

先日の領域会議でお話ししましたので、ここでは詳細は割愛しますが、

この課題については、一定の成果を得られたと思っています。

しかし、これらの成果は、

あくまで現象を記述する道具(の一部)を得たことを確認しただけであり、

これらを用いて、脳機能における領域間情報伝達のあり方や病態との関係など、

神経ダイナミクスのメカニズムの理解は、まだこれからの課題のままです。

一方、いくつかの神経疾患において、機能的結合においては

正常時との違いが見られるものの、全脳レベルの構造的結合においては、

正常時も疾患時もあまり違いが見られない、という知見が得られつつあるようです。

局所回路などのメゾやミクロなスケールでは、

回路構造の変化が見られる可能性はありますが、

この必ずしも器質的失調を伴わない機能的失調である

「ネットワーク病」の理解に向けては、

まだまだ実験・理論・臨床の連携が不可欠だと感じています。

今後も引き続き、なんらかの形で、この連携を続けられればと思っております。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

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【2】2019年度事業実施報告

2019年度に新たに実施された事業です。

□ 2019年度第2回領域会議

2019年12月20-21日に、

一橋大学一橋講堂にて2019年度第2回領域会議が開催されました。

本領域最後となる班会議は、85名の参加者が集まり、

各計画班による5年間の研究成果報告、公募班の活動報告、

ポスター発表(18演題)を行いました。

活発な議論が行われ、5年間の成果を改めて認識できる有意義な会議となりました。

皆様、共同研究のための打ち合わせ、セミナー、会議等開催に際しては、

オシロロジーHP内会員ページの「書類(申請・報告)」

にある書類をご提出下さい。

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【3】その他の行事予定 今後予定されている行事について。

今後予定されている行事は特にありません。

最後まで読んで頂いた皆様、誠にありがとうございました。

今後も月1回のメルマガで情報を発信させて頂ければと思います。

次号は2020/1/25 発行予定です。

皆様、本年も引き続きよろしくお願い致します。

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文部科学省新学術領域研究(H27-31)

「非線形発振現象を基盤としたヒューマンネイチャーの理解」

Mail Magazine Vol.45 2020/1/25 発行(毎月25日発行)

発行・編集人:武山博文(広報・アウトリーチ委員会)

京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター内

〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54

*本誌に関するご意見・お問い合わせは oscillology[at]nips.ac.jp までお寄せ下さい。

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