大会長からの御挨拶
  
   

 第18回日本口腔顔面痛学会は、2013年7月12日と13日に、さいたま市の大宮ソニックシティで開催されます。本学会にはこれまでにはない大きな特徴があります。それは、第35回日本疼痛学会と同時期、同一会場で開催することです。これは私がたまたま両学会の会長に推薦された結果ですが、「痛み」という共通のキーワードを有しながら、これまであまり交流の無かった両学会の同時開催は、私自身は画期的な事だと自負しています。
 「痛み」を訴える患者さんのかなりの多数を口腔顔面痛が占めていることは周知の事実ですが、日本疼痛学会や日本ペインクリニック学会の会員の皆さんにはあまり知られていません。実際に口腔顔面痛を訴える患者さんが来られた場合には、きちんとした診察もせず、一刻も早く歯科医に送ることがほとんどです。しかし、実は口腔顔面痛は歯の痛みや顎関節痛だけではなく、全身疾患の1症状として出現する場合も少なくありません。しかも、難治性の慢性痛が多いのです。当然ながら口腔顔面痛は疼痛学の重要な位置を占めています。今回は独立した開催ではありますが、両学会の合同シンポジウムとして「疼痛学における口腔顔面痛」と「疼痛学における神経イメージング研究の進歩」を開催し、懇親会も一緒に行います。これを機会に、今後、両学会の会員間の親密な連携が進むことを期待しています。
 本学会では24題の一般演題が発表予定です。本学会では伝統的に一般演題はポスター発表となることが多いのですが、今回は「一般演題重視」という方針のもと、すべての発表は口演とポスターの両方で発表していただくことにしました。口演では発表のみで質疑応答はありませんが、ポスターはFree Discussionとしておりますので、その場でのperson-to-personの濃密な質疑が行われることを期待しております。
 さいたま市(大宮)は交通至便な町です。東京からはすぐの場所ではありますが、折角の機会ですので、是非さいたまの魅力を満喫していただきたいと願っています。



      第18回日本口腔顔面痛学会学術大会 会長
      自然科学研究機構生理学研究所・教授
      柿木隆介
      
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