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脳の病態解明

−目的とする研究内容−

目的とする研究内容  公募内容  研究組織



「病態脳」領域
領域代表: 貫名信行
(理化学研究所脳科学総合研究センター・
 グループディレクター)

人が人としての能力を最大限に発揮するためには、健康な心と体を維持することが必要である。 健康な心と体を維持するため、「健康な脳」の維持発展をめざす脳の疾患研究の推進が望まれている。

近年、神経変性疾患の分子病態研究はめざましく、一部では病態に基づく治療の研究が現実化している。 このような経験を未だ病態研究が不十分な他の神経疾患や精神疾患に生かし、 脳疾患全体の克服を目指す時期にきている。
このため本研究領域では以下の研究項目を設定し研究を推進する。

研究項目A01では、老化に伴って増加する神経疾患−アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD)−の 病態解明とその発症予防の開発をめざす。特にADは治療開発の実現化に向けた研究を推進する。 パーキンソン病では家族性パーキンソン病の遺伝子同定の成果を病態解明に生かし、 パーキンソン病の全体像を明らかにし、発症予防法の確立を目指す。

研究項目A02 では、近年病態解明と治療の開発が進んでいるポリグルタミン病や 筋萎縮性側索硬化症などの先進的研究を展開するとともに、 その他の病因遺伝子が同定された種々の神経難病の病態研究を促進する。

また研究項目A03では、高度先進社会において一層重要性を増している精神疾患の研究を展開する。 統合失調症、双極性障害、うつ病や外傷後ストレス障害(PTSD)、 注意欠陥・多動性障害(ADHD)など小児精神疾患、 アルコール依存・乱用等を含む物質使用障害などの分子から画像生理レベルにいたる 先端的または萌芽的研究を展開することにより、この領域の日本における研究フロンティアを形成する。

さらに病態脳領域は統合脳の一領域として統合脳の成果を迅速に病態研究に生かすとともに、 異常から正常を知ることにより、脳の統合的研究に貢献する。