領域5 脳の病態解明 「病態脳」
領域代表者:貫名信行
所属機関:理化学研究所病因遺伝子研究グループ
(研究項目)
A01: アルツハイマー病、パーキンソン病 A02: ポリグルタミン病など A03: 機能性精神疾患
- 人が人としての能力を最大限に発揮するため「健康な脳」の維持発展を目指す脳の疾患研究の推進が望まれている。近年、神経変性疾患の分子病態研究の発展はめざましく、一部では病態に基づく治療の研究が現実化している。この経験を他の神経疾患や精神疾患に生かし、脳疾患全体の克服を目指すため、上の研究項目を設定し研究を推進する。
(推進研究)
A01: 老化に伴って増加する神経疾患 ――アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD) ―― の病態解明と発症予防の開発を目指す。とくにADは治療開発の実現化に向けた研究を推進する。
A02: 病態解明と治療の開発が進んでいるポリグルタミン病や筋萎縮性側索硬化症などの先進的研究を展開するとともに、病因遺伝子が同定された種々の神経難病の病態研究を推進する。 A03: 高度先進社会において一層重要性を増している精神疾患の研究を展開する。統合失調症、双極性障害、うつ病、外傷後ストレス障害(PTSD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)や、小児精神疾患アルコール依存・乱用等を含む物質使用障害など、分子から画像生理レベルにいたる先端的または萌芽的研究を展開し、この領域の日本における研究フロンティアを形成する。
「計画研究」では重点的に研究を推進し、一人または少数の研究者による研究を公募する。単年度あたりの応募額は原則 500万円程度とし、900万円程度の先駆的研究を若干(6〜7件)含め、全体として 40件程度の採択を予定する。研究期間はいずれも1年。本領域は6年間の研究期間が計画されており、次年度以降も公募を予定している。