領域5 脳の病態解明
領域略称名:病態脳
領域番号:022
設定期間:平成16年度〜平成21年度
領域代表者:貫名信行
所属機関:独立行政法人理化学研究所
病因遺伝子研究グループ
(研究概要)
人が人としての能力を最大限に発揮するためには、健康な心と体を維持することが必要である。健康な心と体を維持するため、「健康な脳」の維持発展を目指す脳の疾患研究の推進が望まれている。近年、神経変性疾患の分子病態研究はめざましく、一部では病態に基づく治療の研究が現実化している。このような経験を未だ病態研究が不十分な他の神経疾患や精神疾患に生かし、脳疾患全体の克服を目指す時期にきている。このため本研究領域では以下の研究項目を設定し研究を推進する。研究項目A01 では、老化に伴って増加する神経疾患−アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD)−の病態解明とその発症予防の開発を目指す。特にADは治療開発の実現化に向けた研究を推進する。研究項目A02 では、近年病態解明と治療の開発が進んでいるポリグルタミン病や筋萎縮性側索硬化症などの先進的研究を展開するとともに、その他の病因遺伝子が同定された種々の神経難病の病態研究を推進する。また研究項目A03 では、高度先進社会において一層重要性を増している精神疾患の研究を展開する。統合失調症、双極性障害、うつ病や外傷後ストレス障害(PTSD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)など小児精神疾患、アルコール依存・乱用等を含む物質使用障害などの分子から画像生理レベルにいたる先端的または萌芽的研究を展開することにより、この領域の日本における研究フロンティアを形成する。
このため、次の研究項目について、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに関連する一人又は少数の研究者による2 年間の研究を公募する。1 年間の研究は応募の対象としない。公募研究の単年度当たりの応募額は、500 万円程度までとする。採択目安件数は、概ね30 件程度を予定している。
(研究項目)
A01: アルツハイマー病、パーキンソン病 A02: ポリグルタミン病など A03: 機能性精神疾患
(平成17 年度公募研究平均配分額3,700 千円最高配分額5,800 千円)