領域2 脳の高次機能システム 「脳の高次機能学」
領域代表者:木村 實
所属機関:京都府立医科大学医学研究科
(研究項目)
A01: 情報認知のメカニズム A02: 行動と運動の企画と制御 A03: 情動の生成と制御 A04: 大脳による高次情報処理 A05: 言語とコミュニケーションの脳内メカニズム
- 脳科学研究の急速な発展と先端科学技術の進歩により、物体の認知・記憶や行動、思考、情動、言語などの高次脳機能の作動原理の理解に迫る研究が可能になった。おもにサルやラットを対象に、脳の神経細胞が担う情報表現とその処理を明らかにする研究、ヒトの高次脳機能を先端科学技術によって画像情報として捉えるイメージング研究、脳機能の計算理論による研究、心理学、脳の病態研究などがある。
- 複数の専門分野の研究を結集し、それらを相補的に実施して高次脳機能の作動原理の理解に迫ることを目指す。
(推進研究)
A01: 感覚情報の認知と記憶、異種情報の統合、主観的認知のための大脳皮質メカニズムの研究。 A02: 外界情報、記憶情報や報酬価値に基づく目的指向的な動作選択のメカニズムや複数の動作からなる行動の選択・制御メカニズムの研究。 A03: 大脳辺縁系に由来する情動の情報がどのように生成され、多様な認知過程やアクションの過程を修飾するかの研究。 A04: 情報の分類や抽象化、状況判断や推論、論理の組み立て、さらに思考の理解につながる情報処理について、前頭前野を中心とする脳のシステムメカニズムの研究。 A05: 言語理解と発語のしくみの研究を中心に、言語の生成、心理表象の生成、文法の処理、センテンス理解、言語的、非言語的コミュニケーションの脳内メカニズムの研究。
「計画研究」では重点的に研究を推進し、一人または少数の研究者による独創的、意欲的な研究、萌芽的研究を公募する。年間応募額 500〜800万円の研究が10件程度、200〜500万円の研究が25件程度の予定。17年度開始の研究期間は1年。18年度、20年度に開始される2年間の公募研究も予定している。