7.パッチクランプ基礎実験技術法

久木田 文夫 (統合バイオ 神経分化)

実習内容: 

 近年、イオンチャネルが様々な疾病と関わっていることが明らかとなってきており、パッチクランプ法の重要性が増してきています。 本講習は、パッチクランプ法の原理を理解し、実験技術を習得することを目的としています。 

 実習では培養神経細胞に様々なパッチクランプ法を適応することにより観測されるイオンチャネル特性の解析を行います。

 本コースは細胞の電気活動を測定するための基本的な技術となっているパッチクランプ法の原理と実際を、初歩的なレベルから応用に至るまでを習得することを目的としています。

 初めの2日間は、バイオセンサー法のグループ(8A,B,C)と合同でパッチクランプ基本法の原理・技術を習得します。実際には、あらかじめ神経に分化誘導させたNG108-15培養細胞にパッチクランプホールセル記録を適用し、電流固定法による活動電位の観測および電圧固定法により生じるイオンチャネル電流の測定を行い、得られたイオンチャネル電流をどのように同定し、解析法するかを実習します。

 本コースは後半の2日間もパッチクランプ法の実習やデータ解析に費やせるように設定されたコースであり、全くの初心者でこれから生理学を志す受講者が、神経の電気活動を一通り理解でき、実際に記録できるようになることが可能です。  

 更に、バイオセンサー法を担当する機能協関、生体恒常機能発達機構、細胞生理で本コース(コース7)の実習を受けるグループは、バイオセンサータンパク質を発現させた細胞を用いたパッチクランプ法や穿孔性パッチクランプ法を実習することが可能となります。

 神経分化で実習を受けるグループは、活動電位の発生機構をコンピュータシミュレーションを通して理解し、パッチクランプ法による実際の電流記録と活動電位の関連を基礎から学ぶことができます。


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