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2010年8月 伊佐 正 |
8月になった。この間あったことについて・・・ 助教の金田勝幸君が8月1日付で北海道大学薬学系研究科の准教授に昇任・転出した。金田君は結局約5年私の部門にいてくれたことになる。その間、筆頭著者でJournal of Neuroscienceに2編。2nd authorで1編。あと、現在執筆中の論文が4−5編、ととてもproductiveだった。このように生理研の私の部門では、全国のいろんなところからいろんなバックグランドの若い人達が集まってくれて、数年間、私と一緒にじっくり研究に没頭して、ステップアップしていく場所としたいと思ってやってきた。よくできる人たちが数年でどんどん移っていってしまうのは正直言って研究の継続性からすれば私にとっては苦しいことではあるけれど、これまでの14年余りの間に在籍してくれた助教(助手)が7人。既に外部の研究所の部長が1人。5人が国立大学の准教授になって転出してくれているのは、私の部門はキャリアパスとしてこの間円滑に機能してきたことを示していてとても嬉しい。これから来年にかけて後任の人を探していくつかの人事選考を行う予定ですので、私の部門に興味のある方はぜひとも応募してください。お願いします。 7月の中旬に脳科学研究戦略推進プログラム課題Cの中間評価がありました。プロジェクトの採択が決まったのが2008年7月で、中間評価の報告の提出が今年の6月だから、1年10カ月程度で中間評価ということになります。これは脳科学の中だけの問題でなく、他の研究領域との闘いなのだから・・・とさんざん言われてきたので、大変なプレッシャーを受けてきた。入念にグループでの作戦会議、予行演習を経て、20分のプレゼンの時間でマーモセットからマカクのベクターまで57枚のパワーポイントでプロジェクトの全貌をしゃべりまくった。最初の2年で基本的なツールができてきたと思っている。最近の進展は自分たちが「異次元空間」に入りつつあるほどの勢いと実感している。残りの期間で本当に脳機能の理解の発展につなげられる成果を挙げていきたい。 以前に私の部門に在籍して、現在大阪大学の准教授の小林康君が私の部門にいた頃から始めた研究で、昨年Journal of Neuroscienceに発表した論文が神経回路学会の優秀論文賞を受賞しました。小林君の論文は何度かhigh impact journalで良いところまでいきながらなかなか通してもらえず、産みの苦しみを味わっただけに、評価されて喜びもひとしおです。おめでとう! |
伊佐 正 教授 ![]() |
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