領域体制

about_project@2x.png人間本性(ヒューマンネイチャー)」の理解には、対象を物質として捉える生物学的研究だけでは不十分で、複雑系としてのヒトを統合して捉える非還元論的思考を必要とします。本研究領域では、細胞発火、神経回路、脳波、脳代謝、コミュニケーションなど多階層で普遍的に見られる集団発振現象に着目し、それらの非線形的な同期化が機能分化と自己組織化の場であると考えます。本作業仮説とデータベースの共有知を基盤とした有機的な連携で、神経科学、数理科学、臨床医学の融合した新領域「オシロロジー」を創成します。神経細胞から社会脳までを統一的枠組みに入れるオシロロジーが確立されれば、現行の遺伝子変異や神経変性などの要素還元的な方法論と相補的に機能し、 認知症などの精神神経疾患は自律的脳ネットワークの動態的な機能不全(ネットワーク病)として理解され、数理モデルに基づいて疾患をシステムレベルで制御する「臨床数理科学」が可能となります。

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計画研究一覧

A:新規の集団発振現象を探索

  • A01班:細胞発振現象と集団発振のモーダルシフト
  • A02班:霊長類・げっ歯類モデルでの脳深部振動と運動制御
  • A03班:ヒト脳発振現象の直接記録
  • A04班:先端的脳機能計測によるヒューマンネイチャー解明

B:データ対話的な数理モデル構築

  • B01班:階層的な動的ネットワークの構築
  • B02班:脳領域間の機能的ネットワークの推定
  • B03班:ネットワーク自己再組織化の数理的基盤の創成

C:介入による発振制御と臨床応用

  • C01班:動物モデルへの双方向性計測操作による発振現象の理解
  • C02班:発振操作による動的ネットワークの再組織化
  • C03班:機能的ネットワーク病態への介入

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総括班の概要

領域代表である南部篤(代表、生理研、神経生理学)のリーダーシップの元での領域運営を効率化するために、分担研究者の美馬達哉(分担、立命大、臨床脳生理学)らが領域事務局として領域全体の管理と運営に当たります。総括班には各計画研究代表者も連携研究者として参加し、計画研究推進と同時に各種の委員会委員として責任を持って研究の推進・広報・評価での役割を担います。

研究の推進

若手育成・交流委員会 虫明元(連携、東北大、神経科学)
大石直也(連携、京大、脳機能イメージング)
福田敦夫(連携、浜松医大、神経生理学)
森田賢治(連携、東大、計算論的神経科学)
データベース委員会 津田一郎(連携、中部大、複雑系数理学)
南部篤
虫明元
山口陽子(連携、理研、ニューロインフォマティクス)
生命倫理委員会 森下直貴(連携、浜松医大、生命倫理学)
池田昭夫(連携、京大、臨床神経学)
北野勝則(連携、立命大、計算論的神経科学)
美馬達哉
心理・社会脳委員会 苧阪直行(連携、京大、心理学)
飛松省三(連携、九州大、臨床神経生理学)
森田賢治
宇川義一(連携、福島医大、臨床神経学)
臨床橋渡し委員会 宇川義一
池田昭夫
神作憲司(連携、国リハ、リハビリ学)
森下直貴

研究の広報

広報・アウトリーチ委員会 池田昭夫
津田一郎
宇川義一

アドバイザリーボード

国内 合原一幸(東大・教授)
木村實(玉川大学脳研・所長)
蔵本由紀(国際高等研・副所長)
柴崎浩(京大・臨床神経学・名誉教授)
海外 Mark Hallett(米国国立健康研究所・NINDS 主任・臨床神経生理)
John Rothwell(ロンドン大・教授・運動神経生理
Jerome Engel Jr.(UCLA・教授・てんかん学)
Xiao-Jing Wang(New York 大学・教授・計算論的神経科学)

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