News & Topics研究成果

紫外線照射を用いた新しい超偏極MRI法で覚醒マウス脳のエネルギー代謝を計測

脳では、神経活動を支えるために絶えずエネルギー代謝が行われています。超偏極13C MRIは、13C標識代謝物の信号を大きく増幅することで、生体内の代謝反応をリアルタイムに捉えることができる手法です。一方、従来法ではラジカル試薬を用いる必要があり、試料調製や臨床応用に向けた工程の複雑さが課題となっています。

今回、スピン生命フロンティアに参画する量子科学技術研究開発機構の小野 麻衣子 主任研究員、高堂 裕平 上席研究員(生理学研究所/スピン生命科学コア 客員教授)らは、Polarize社のAndrea Capozzi博士、EPFLのMor Mishkovsky博士らとの国際共同研究により、紫外線照射によって一時的に生成されるラジカルを利用した新しい超偏極法を用いて、マウス脳の13C代謝計測を実現しました。さらに、ピルビン酸を重水素化することで超偏極性能を大きく向上させ、従来のトリチルラジカルを用いた方法に匹敵する性能が得られることを示しました。この方法を用いて覚醒マウス脳の13C MRSIを行い、アルツハイマー病モデルマウスにおける脳代謝変化を捉えることにも成功しました。

本超偏極法は、通常のラジカル試薬を用いない新しいアプローチであり、超偏極化合物の遠隔地への搬送を含む技術展開と、神経変性疾患をはじめとする脳疾患の代謝異常の理解や新たな代謝イメージング法の開発への応用が期待されます。

本研究成果は、国際誌 Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism に掲載されました。

論文

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