『スピン生命フロンティア』とは

自然科学研究機構は、生命科学から物質科学、核融合、天文科学までの幅広い研究分野で先端的な基礎研究を進めています。今回、岡崎に設置している生理学研究所、分子科学研究所、そして生命創成探究センターが一体となり、これを中核(コア)として『スピン生命フロンティアハブ』を設立することとなりました。
脳の診断などで活用されている既存のMRIの能力を最大限引き出し、より詳細な、あるいはより選択的な生体イメージングを可能とするために、分子科学研究所及び生命創成探究センターの研究者が有する磁気共鳴測定に関する様々な技術、あるいは常磁性化学種の開発研究の成果を持ち寄ることを計画しました。そして、不足する技術や化合物合成などは、京都大学・化学研究所、大阪大学・蛋白質研究所、量子科学技術研究開発機構・量子生命科学研究所、新潟大学・脳研究所が参画機関(ノード)として連携することで、既存の分野に囚われない統合的な新分野「スピン生命科学」の創成を目指して参ります。この計画では、多くの大学や企業、各装置プラットフォーム・分野コミュニティーとの連携による共同研究・共同利用の推進のみならず、分野横断的な研究者養成や技術職員の育成を図ることとしています。
このプログラムを通じて、これまで進めてきた「それぞれの研究所がカバーする学術分野の研究者コミュニティーへの貢献」のみならず、これまで交流が無かった広範な分野の研究者が交流することにより、「スピン生命科学」という新たな学術研究分野を切り開く活動を支援してまいります。

キックオフ会議

本会議は盛況のうちに終了しました。
参加いただきました先生方、皆様、誠にありがとうございました。

主旨

学際ハブ展開領域事業の最大のミッションは、共同利用・共同研究拠点が『従来と異なる研究機関・研究者コミュニティと連携するための「新たなシステム」』を作るということです。今回のキックオフ会議では、普段学会等でお会いしない分野の方々が、交流を深め、お互いの研究を知り、理解を深め、ゆくゆくは共同研究をして頂ければ幸いに思っています。『スピン生命フロンティア』は、そのような融合連携の機会と、研究を進める施設、あらたな学術を成熟させる支援を提供していきたいと思っております。
大学教員の方のみならず企業の方々、技術職員や学生の皆さんを含め、学際融合領域を進めて貰えるような「共同研究の場」を作っていきますので、このキックオフ会議にも多くの方に参加いただけますと幸いです。

開催概要

『スピン生命フロンティア』 キックオフ会議 

2024年1月18日(木)
岡崎コンファレンスセンター・大隅ホール(ハイブリッド形式:オンラインでもご参加いただます)

プログラム

13:10

開会挨拶・主旨説明 

川合眞紀 自然科学研究機構 機構長

13:20

ご挨拶

文部科学省

13:30

『スピン生命フロンティア』の活動

鍋倉淳一 生理学研究所 所長

14:00

話題提供1

東京工業大学・科学技術創成研究院 岡田智 先生
「磁性プローブが切り拓く分子レベルのfMRI」

14:30

コア紹介

生理学研究所 竹村浩昌
分子科学研究所 中村敏和
生命創成探究センター 加藤晃一

15:30

休憩

15:45

話題提供2

北海道大学・情報科学研究院 平田拓 先生
「電子スピンで視る悪性腫瘍の微小環境」

16:15

ノード紹介

京都大学・化学研究所 山子茂
大阪大学・蛋白質研究所 宮ノ入洋平
量子科学技術研究開発機構・量子生命科学研究所 高草木洋一
新潟大学・脳研究所 島田斉

17:15

終わりに

渡辺芳人 分子科学研究所 所長

17:30

懇親会(中会議室) 

Contact

『スピン生命フロンティア』運営事務局