![]() |
![]() |
5)細胞間接着装置の再編成の研究
接着している細胞同士でも、様々な局面において大きく変形したり、お互いにずれて動いたりします。細胞が分裂するとき、また発生初期に見られる細胞のダイナミックな再編成はその典型例です。この過程で細胞間接着は一部で壊れ、また再生するというように再編成が起こらなければなりません。また、免疫系の細胞が上皮細胞シートを透過することがありますが、肺胞マクロファージが肺胞内に沈着した小粒子を処理するために肺胞に出てきたり、気管の炎症で好酸球が気管内腔に出てくる際に、これらの細胞は上皮細胞の隙間を通ると考えられており、そのためにはタイトジャンクションが一時的に開き、また閉じる必要があります。このようなダイナミックな動態を示す一方で、タイトジャンクションは上皮バリア機能を維持するために常に連続性を保つ必要があり、そこには巧妙な再編成の調節機構があるに違いありません。この興味深い仕組みを、1)タイトジャンクションの細胞内取り込みによるターンオーバーの研究、2)遊走性血球細胞の上皮細胞シート透過におけるタイトジャンクション構成分子の動態の記述、から明らかにしたいと考えています。 |
クローディンのユビキチン化と細胞内取り込みによるタイトジャンクションの形成制御 |
|
![]() |
|
(上)MDCK細胞と、ユビキリンE3リガーゼであるLNX1を発現させたMDCK細胞を共培養すると、LNX1の発現によりタイトジャンクション構成分子Claudin-1のシグナルが著しく減弱する。凍結割断レプリカ法で観察すると、LNX1発現細胞ではタイトジャンクションの構造が脆弱になっていることがわかった。 |