A02南部班、C01虫明班の共同研究成果がCerebral Cortex誌に掲載されました。

液晶プロジェクターと実体顕微鏡を組み合わせた光照射装置を開発し、大脳皮質にチャネルロドプシン(光感受性物質)を発現している遺伝子改変マウスを用いて、小さい白色光スポットを大脳皮質にグリッド状に順番に照射して照射部位を興奮させ、大脳基底核の出力部である淡蒼球内節の神経活動を記録しました。

白色光スポットを大脳皮質の上で動かした結果、淡蒼球内節の神経細胞に抑制性の影響を与える大脳皮質の領域は小さいのに対し、その周辺の広い大脳皮質領域が同じ淡蒼球内節の神経細胞に早い興奮と遅い興奮を生じさせることがわかりました。

淡蒼球内節の抑制が運動を誘発し、早い興奮と遅い興奮は運動を抑制することから、大脳皮質の限局した領域が淡蒼球内節の神経細胞に抑制性の情報を送り、目的の運動を引き起こすように働くのに対し、周辺の広い領域はその神経細胞に興奮性の情報を送り、不必要な運動が起こらないようにブレーキをかけていると考えられます。

Optogenetic activation of the sensorimotor cortex reveals "local inhibitory and global excitatory" inputs to the basal ganglia
Mitsunori Ozaki, Hiromi Sano, Shigeki Sato, Mitsuhiro Ogura, Hajime Mushiake, Satomi Chiken, Naoyuki Nakao, Atsushi Nambu
Cerebral Cortex誌
doi: 10.1093/cercor/bhx234
2017年9月22日電子版

所属機関のプレスリリース:
http://www.nips.ac.jp/release/2017/09/post_349.html