超高圧電子顕微鏡 共同利用実験

生理学研究所に超高圧電子顕微鏡(H-1250M型)が、1982(昭和57)年3月に導入されている。生理学研究所の超高圧電子顕微鏡は、1、000kV級の装置で、医学生物学用に特化した装置として我が国唯一であるので、設置当初より全国に課題を公募して共同利用実験を行ってきた。最近は「生体微細構造の三次元解析」「生物試料の高分解能観察」「生物試料の自然状態における観察」の3つのテーマを設定している。設置以来の生理学研究所の超高圧電子顕微鏡の平均稼働率は、約80%に達している。全利用日数の約半分を所外からの研究者が使用しており、1、000kV級超高圧電子顕微鏡の医学生物学領域における日本でのセンター的役割を果たしてきた。20年度も、13課題が採択され、所外66日、所内65日の利用があった。

平成17年度採択表

No. 研究課題名 氏  名
1 超高圧電顕トモグラフィーによる感杆型光受容細胞内の光小胞の立体構築 片桐 展子
東京女子医科大
2 ギャップ結合連結した網膜及び脳ニューロンの樹状突起の構造 日高 聡
藤田保健衛生大
3 神経系培養細胞における受容体などの3次元構造解析 遠藤 泰久
京都工芸繊維大
4 中間径フィラメントとゴルジ装置との三次元的空間配置 野田 亨
藍野大・医療保険
5 嗅覚神経系のニューロン及びグリアの三次元構造解析 樋田 一徳
徳島大院・ヘルスバイオサイエンス
6 スフィンゴリピドーシスモデルマウス(サポシンD欠損マウス)を用いた小脳プルキンエ細胞におけるparasagittal compartmentの構造解析 松田 純子
東海大・未来科学技術共同研究センター
7 哺乳類神経上皮細胞からの非対称分裂による神経細胞生成 小曽戸 陽一
マックスプランク研
8 Investigation of Purkinje cell dendritic spines in rat cerebellum after motor skill learning (運動機能学習後のラット小脳プルキンエ細胞樹状突起スパインの研究) Rhyu, Im Joo
Korea University
9 歯状回顆粒細胞樹状突起の三次元再構築 濱 清
生理研

過去の採択一覧・成果