実験的神経科学

非線形ダイナミクスを数理基盤とした脳内ネットワークや情報処理過程を実験データから理解します。
このアプローチにより,運動、知覚、認知、社会性等のさまざまな脳機能と振動同期、ノイズ誘起ダイナミクス等の関係性を包括的に理解することを目指します。

1. 神経ダイナミクスの操作研究

非侵襲脳刺激(経頭蓋磁気刺激・電気刺激)と脳波同時計測を用いて脳内ネットワークダイナミクスや情報処理過程と行動の因果関係を明らかにします。

研究成果:
Yuka O. Okazaki, Yuji Mizuno, Keiichi Kitajo, Probing dynamical cortical gating of attention with concurrent TMS-EEG. Scientific Reports, 10, 4959, 1-10, doi: 10.1038/s41598-020-61590-2, 2020.

2. 脳波ハイパースキャニング

複数人同時計測による個体間のコミュニケーションに関する神経ダイナミクス基盤を明らかにします。

研究成果:
Masahiro Kawasaki, Keiichi Kitajo, Yoko Yamaguchi, Sensory-motor synchronization in the brain corresponds to behavioral synchronization between individuals. Neuropsychologia, 119, 59-67, doi: 10.1016/j.neuropsychologia.2018.07.026, 2018.

3. 異なる階層を飛躍するシステム脳研究

核磁気共鳴スペクトロスコピーなどの非侵襲方法を用いて脳内神経伝達物質の動態推定と脳内ネットワークダイナミクスや行動との関係を明らかにします。

4. 脳と身体の大域ネットワークダイナミクスの包括的理解

脳と自律神経系の連関を脳波と生体情報を用いて理解することを目指します。

research-uehara-1000x330.png