2022年度生理学研究所研究会 多次元脳形態研究会
概要
今日の脳研究で脳の形態を研究する際には、対象となる空間スケールや計測原理の異なる多種多様な方法が用いられています。こうしたアプローチの多様性は脳研究を進展させる上で非常に有用ですが、一方で専門化・細分化の進行によって、分野や空間スケールを超えて議論をする場がなかなか設定できないことが課題である言えます。実際のところ、脳の形態を対象とする研究においてはミクロとマクロの間のギャップ、解剖学と非侵襲イメージングの間のギャップ、対象となる種が異なる研究間のギャップ、基礎研究と臨床研究の間のギャップなど、多くの障壁が存在しています。こうしたギャップの存在により、潜在的な共同研究の機会が損なわれているように感じられます。
このため、今年度より「多次元脳形態研究会」という新たな生理学研究所研究会を設立し、細胞レベルの形態学的・解剖学的研究、齧歯類を対象とした脳形態研究、非ヒト霊長類を対象とした解剖学的研究・脳機能マッピング研究、ヒトを対象とした脳イメージング研究・病態研究・脳損傷研究などに取り組まれている研究者が一堂に会することで、新分野の開拓の機会を提供したいと考えています。現在のところハイブリッド形式での開催を計画しており、オンサイト・オンラインいずれの形態でも参加可能ですので、どうぞ奮ってご参加ください。
→WEB開催へ変更させていただきます(2022.11.18)
代表者:一戸 紀孝(国立精神・神経医療研究センター)
担当者:竹村 浩昌(生理学研究所)
開催日
2022年11月24日(木)~2022年11月25日(金)
開催方式
ハイブリッド形式 →Web開催へ変更になりましたオンサイト会場:生理学研究所(明大寺地区)1階大会議室
オンライン会場:Zoom
(注:新型コロナウィルス感染症の状況が思わしくない場合は、オンラインのみの開催に移行する可能性があります)
参加登録方法
→参加登録を11/21まで延長します
オンサイト参加は40名を定員とします。希望者多数の場合は、定員に達し次第オンサイト参加を早めに締め切る可能性があります。
プログラム(予定)
2022年11月24日(木)
12:00 | 受付開始 | |
13:00-13:05 | 開会の挨拶 | 一戸 紀孝(国立精神・神経医療研究センター) |
13:05-13:40 | 堀内 浩(名古屋大学) (※2022/11/21 発表者変更) |
「ミクログリアの機能的活動の時空間解析と神経活動に対する応答性」(※2022/11/21演題変更) |
13:40-14:15 | 荻野 崇(名古屋市立大学) | 「成体脳で生じる新生ニューロンの移動における血流の役割」 |
14:15-14:50 | 牧之段 学(奈良県立医科大学) | 「髄鞘形成は精神疾患の症状形成にどう関与するのか?」 |
14:50-15:10 | 休憩 | |
15:10-15:45 | 阿部 欣史(慶應義塾大学) | 「マウスMRI計測によって可視化できる脳体積変化を細胞・分子レベルで読み解く」 |
15:45-16:20 | 鎌形 康司(順天堂大学) | 「拡散MRI:脳微細構造解析及び脳コネクトーム解析」 |
16:20-16:55 | 野口 潤(国立精神・神経医療研究センター) | 「パルプロ酸投与自閉症モデルマーモセットにおける神経回路ダイナミクスの変異とオキシトシンによるその調節」 |
2022年11月25日(金)
8:30 | 受付開始 | |
9:00-9:35 | 竹村 浩昌(生理学研究所) | 「白質線維束イメージングによる視覚情報伝達機構の研究」 |
9:35-10:10 | 山口 淳(千葉大学) | 「白質解剖と神経画像によるヒト脳の神経束の解析」 |
10:10-10:45 | 兼子 峰明(京都大学) | 「霊長類脳における視覚情報伝達経路の構造及び機能計測」 |
10:45-11:05 | 休憩 | |
11:05-11:40 | 河﨑 洋志(金沢大学) | 「フェレットを用いた大脳の形成と進化の分子機構の解析」 |
11:40-12:15 | 横山 ちひろ(奈良女子大学) | 「ニューロイメージングからみたサルとヒト」 |
12:15-12:50 | 鈴木 匡子(東北大学) | 「ヒトにおける視覚認知の神経基盤 -自覚的な見えの変化-」 |
12:50-12:55 | 閉会の挨拶 | 竹村 浩昌(生理学研究所) |
抄録集
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