2023年度生理学研究所研究会 多次元脳形態研究会
概要
今日の脳研究で脳の形態を研究する際には、対象となる空間スケールや計測原理の異なる多種多様な方法が用いられています。こうしたアプローチの多様性は脳研究を進展させる上で非常に有用ですが、一方で専門化・細分化の進行によって、分野や空間スケールを超えて議論をする場がなかなか設定できないことが課題である言えます。実際のところ、脳の形態を対象とする研究においてはミクロとマクロの間のギャップ、解剖学と非侵襲イメージングの間のギャップ、対象となる種が異なる研究間のギャップ、基礎研究と臨床研究の間のギャップなど、多くの障壁が存在しています。こうしたギャップの存在により、潜在的な共同研究の機会が損なわれているように感じられます。
このため、昨年度に続き「多次元脳形態研究会」という研究会を開催し、細胞レベルの形態学的・解剖学的研究、齧歯類を対象とした脳形態研究、非ヒト霊長類を対象とした解剖学的研究・脳機能マッピング研究、ヒトを対象とした脳イメージング研究・病態研究・脳損傷研究などに取り組まれている研究者が一堂に会することで、新分野の開拓の機会を提供したいと考えています。昨年度はWeb開催となりましたが、今年度についてはハイブリッド形式での開催を計画しており、オンサイトのみの意見交換会(懇親会)の開催も予定しています。オンサイト・オンラインいずれの形態でも参加可能ですので、どうぞ奮ってご参加ください。
(追記:11/25 ポスターセッションについて、行わないことになりました)
代表者:一戸 紀孝(国立精神・神経医療研究センター)
担当者:竹村 浩昌(生理学研究所)
開催日
2023年12月14日(木)~2023年12月15日(金)
開催方式
ハイブリッド形式
オンサイト会場:生理学研究所(明大寺地区)1階セミナー室A (注:大会議室から変更、12/4)
オンライン会場:Zoom
参加登録方法
以下のリンク先のフォームより事前参加登録が必要です。
参加登録は締切ました。
ポスターセッションについて
参加者の方からのポスター発表を募集します。ポスターセッションは、オンサイトのみで行います。脳機能研究や脳形態研究との間に少し距離のある、行動データだけの研究、数値シミュレーションだけの研究などの発表も歓迎します。希望される方は11月24日(金)までにご登録をお願いします。
※ポスターセッションについて、開催しないことになりました(11/25追記)。
プログラム(※今後変更になる可能性があります)
2023年12月14日(木)
12:30 | 受付開始 | |
13:00-13:05 | 開会の挨拶 | 一戸 紀孝(国立精神・神経医療研究センター) |
13:05-13:40 | 仲嶋 一範(慶應義塾大学) | 「アストロサイトが大脳皮質内に分布するしくみ」 |
13:40-14:15 | 金子 奈穂子(同志社大学) | 「傷害脳における新生ニューロン-アストロサイト相互作用とその制御」 |
14:15-14:50 | 桐生 寿美子(名古屋大学) | 「ダメージ応答メカニズムに光を当てた神経再生・変性研究」 |
14:50-15:10 | 休憩 | |
15:10-15:45 | 井上 謙一(京都大学) | 「越シナプストレーシングによる霊長類大脳皮質―大脳基底核ループ回路の構造解析」 |
15:45-16:20 | 堀 由紀子(量子科学技術研究開発機構) | 「モノアミンによる意欲調節とその障害―霊長類の分子イメージングによる探索」 |
16:20-16:55 | 渡我部 昭哉(理化学研究所脳神経科学研究センター) | 「マーモセット前頭前野トレーサーデータベースから考える大脳皮質構築」 |
17:30- 19:30 |
意見交換会(オンサイトのみ・登録者のみ) |
2023年12月15日(金)
8:30 | 受付開始 | |
9:00-9:35 | 根本 知己(生命創成探究センター・生理学研究所) | 「新規多光子顕微鏡による細胞生理のイメージング」 |
9:35-10:10 | 木村 晃久(和歌山県立医科大学) | 「視床網様核を介する感覚入力の干渉と高次脳機能出力による感覚情報処理の制御」 |
10:10-10:45 | 古田 貴寛(大阪大学) | 「多面的アプローチによる感覚と運動の神経回路研究」 |
10:45-11:05 | 休憩 | |
11:05-11:40 | 中嶋 理帆(金沢大学) | 「脳損傷患者における覚醒下マッピングと神経画像解析を用いた脳機能ネッ トワーク研究」 |
11:40-12:15 | 續木 大介(高知大学) | 「四次元の時空間に見る脳梁の形態形成と機能的発達の推移」 |
12:15-12:50 | 國井 泰人(東北大学) | 「統合失調症死後脳のマルチオミックス解析の現状」 |
12:50-12:55 | 閉会の挨拶 | 竹村 浩昌(生理学研究所) |
抄録集
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