研究者・設備紹介

電子スピン共鳴装置(EMX)

機器の概要

 この装置は、ユーザーフレンドリーな汎用Xバンド(9.5GHz)電子スピン共鳴(ESR)装置です。
 高感度キャビティを搭載しているため、スピン濃度が低い希釈スピン系や微量試料の連続波(CW)測定に特に適しています。
 操作に不慣れな場合は、技術職員がサポートいたします。

性能と特徴

メーカー Bruker
型番 EMX
装置スペック 高感度X-bandキャビティを備えたcw-ESR装置。幅広い温度可変(LHe:3.8~300K、LN2:100~300K、Air:RT~500K)測定に対応。
マグネット -50G~1.45T 温度可変 3.8~300K他 共振器 高感度、デュアルモード オプション ゴニオメーター他

用途

 電子スピン共鳴(ESR)装置は、不対電子(電子スピン)をプローブとした分光装置です。
 静磁場中に置かれた電子スピンはエネルギー準位が分裂し、一定のマイクロ波を加えながら静磁場を掃引すると、このエネルギー差に相当する磁場で共鳴が起こります。
 この共鳴磁場や吸収強度などの観測から、電子スピンを持つ原子や分子の量、構造、電子状態などに関する情報を得ることができます。
 ESR 装置は、有機ラジカルや遷移金属などを含む物質の物性研究の他にも、放射線や酸化などにより不対電子が生じた岩石や食品の評価、触媒や重合反応などのプロセス追跡にも利用されます。

関連する研究者と技術者

中村 敏和(分子科学研究所/スピン生命科学コア)

藤原 基靖(分子科学研究所/スピン生命科学コア)

浅田 瑞枝(分子科学研究所/スピン生命科学コア)

伊木 志成子(分子科学研究所)